オーディション番組『WARPs DIG』よりデビューメンバー7名が決定 各人が熾烈な戦いを繰り広げた最終審査レポート

 メンバー全員がハンドマイクを持ち、歌って踊る。もしくは、ボーカリストとダンサーまたはパフォーマーという歌とダンスそれぞれのプロフェッショナルで構成される。これまで「ダンス&ボーカルグループ」の形といえば、このようなものが多かったと思う。しかしこの春、その概念にとらわれることなく新たな価値観を創造するメンバー7名が決定した。今回はその運命の瞬間をリポートする。

 舞台となるのは、昨年4月25日から始まった発掘型ドキュメンタリー番組『WARPs DIG』。トレーニング機関「WARPs ROOTS」のメンバー総勢18名が、デビューメンバーの枠をかけて365日間のサバイバルバトルを行うプロジェクトだ。1年間を「Season1」~「Season4」に分けて「パフォーマンス力の向上」や「結束力を高める」ことなどを各シーズンのテーマに掲げ、チーム戦でのパフォーマンスバトルや個人戦でのサイファーバトルを通じて実力を磨いてきた。中でも世界的にも有名な韓国の「1MILLION DANCE STUDIO」での合宿や、年間4度に及ぶライブイベントなど、育成段階から世に出ることを見据えたトレーニングは、自身の成長や課題点を客観的に意識する大きなきっかけとなったことだろう。

 デビューメンバーが決定する最終審査は、4月11日、都内某所にて公開収録で開催。会場にはこれまで候補生たちを応援してきたファンや仲間たち、見守り支えてきた家族などが足を運び、大勢の観客がその時を今かと待ち侘びていた。その中には、これまで一緒に頑張ってきた元候補生たちの姿も。殺風景なコンクリートを照らすオレンジ色のライトは、これから始まるファイナルステージへの熱気の高まりを表しているようだった。

 時計の針が定刻を刻むと、満を持してステージ上に登場したのは、最後の戦いに挑む12名のメンバー。意気込みを問われた彼らは「この1年間学んだことをここで出せるようにしたい」「12人最後のパフォーマンスを全力でぶちかましたい」「最後の挑戦、絶対掴み取ります」とそれぞれの熱い想いを宣言し、オーディエンスの拍手が最後の舞台に挑む候補生の背中を押していた。

 今回もこれまでのバトル同様、6人ずつの2チームに分かれてステージを披露する。一方は、SOUMA IIZUKA、TSUBASA ISOZAKI、TOMOKI NISHIYAMA、MASAYA IMADA、REIA OMIYA、SEIYA SHIBUTANIからなるTEAM RED。そしてもう一方は、RYOTA IMAI、MIZUKI KANAI、TAKERU ITO、 RYUSHIN NAKAZATO、YUGA SHIBUTANI、KAITO ARAKAWAからなるTEAM BLUEだ。

 まず行われたのは、「6 on 6 TEAM SHOWCASE」。TEAM REDは「WAKE UP」、TEAM BLUEは「OUT OF CONTROL」と、どちらも1年間で何度も披露してきた思い入れのある楽曲を選曲。ついに、最後の戦いの火蓋が切って落とされる。筆者が前回彼らのライブパフォーマンスを見たのは12月の『WARPs ROOTS LIVE #4』が最後であったが、このステージに立つ12人の姿を見ればこの4カ月で技術面・精神面ともに凄まじい進化を遂げたことは一目瞭然だった。ステージから伝わってくる熱気、勢い、『WARPs DIG』という場にかける想い、その全てが大きなエネルギーとなって伝わってくるのだ。それに応えるように熱い声援と拍手を送り、空間を作り上げていく観客の存在は、きっとメンバーの心強い支えとなっていたに違いない。

SOUMA IIZUKA

 続けて行われたのは「EXHIBITION DANCE BATTLE」。先行TEAM RED、後攻TEAM BLUEで先程と同様の2チームに分かれてオリジナルのコレオグラフィを披露し、ありったけのエナジーを爆発させていく。365日間で鍛え上げられたダンススキルが所狭しと並べられながら、オーディエンスを楽しませるエンターテインメント性も忘れない。観客も持ち込んだ応援うちわや歓声で盛り上げていく。ステージのクオリティは、言わば完全にダンスショーケース。思わず声を上げてしまうほどに巧みなムーヴが炸裂していた。例えこれがプロダンサーに囲まれたサイファーであっても、フロアは熱狂に包まれていただろうと思う。

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