『アイドリッシュセブン Third BEAT!』視聴者の心を揺さぶるドラマチックな音楽 サントラで追体験するアイドルたちの激動の物語

 TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』のオリジナルサウンドトラック『UNTOUCHED PRiDE』が3月1日に発売となった。タイトルの通り、なにものにも揺るがされることのないそれぞれの誇りを示し、次へのステップへ向かうアイドルたち。そんな彼らの激動の物語が2クールにわたって描かれた3期同様、全61曲とボリュームたっぷりなサントラ盤となっている。

 まずファンが一番にチェックしたいのは、劇中歌だろう。十 龍之介(CV.佐藤拓也)「願いはShine On The Sea(Anime Size)」は、ストーリーを追ってきたファンにとって涙なしには聴けない一曲だ。作中TRIGGERにとって大きな分岐点となる楽曲だが、絞り出すようで力強くもあるアカペラから始まり、ラストの〈信じてる〉から転調したサビに至ると、十 龍之介の心に確かにあるプライドやTRIGGERの絆が感じられる。

 また、原作アプリではその音や歌声までは表現されなかった、アイドルたちが別のグループの曲を歌う場面はアニメで完全に表現されており、今回のサウンドトラックでも音源化されている。九条 天(CV.斉藤壮馬)が歌う「Dis One.」 は、第10話の「合宿開始!」のラストで使用された。疾走感あふれるRe:valeの「Dis One.」とは違い、アコースティックなスローバラードに生まれ変わっている。

 様々な障壁がありながら強い決意のもと歌われることになったIDOLiSH7による「SECRET NIGHT」は、そのアプローチからIDOLiSH7の7人、特にセンター・七瀬 陸(CV.小野賢章)のボーカルの特徴や良さを実感できる。そして原曲を歌うTRIGGERの存在感を逆に引き立たせるような貴重な歌唱だ。

 アニメが3期に入り、物語がよりシリアスな方へ向かっていくと同時に、劇伴音楽もシリアスさを増してきた。不穏な空気感や、不気味さ、焦燥感を駆り立てるような楽曲、切なさや寂しさを呼び起こすような曲も多い。

 「DiSCOVER THE FUTURE」や「ミライノーツを奏でて」といった第1クールの楽曲をアレンジした「失いたくない居場所」「unforgettable colors」も各グループにとって大事なシーンで使われている曲も、ファンの心を揺さぶる。

 さらに今期から登場した新しいアイドルグループ・ŹOOĻにより、そのサウンドの色がサウンドトラックにも反映されている。エッジの効いたトレンド感あるアレンジは、1期と2期にはない方向性だ。

 既存の楽曲をマッシュアップし、シーンにマッチしたサウンドにアレンジされた楽曲も聴きどころである。一聴しただけでは気づかないような細かいフレーズを巧みに入れ込んで、新しいアプローチとしている。

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