『アイドリッシュセブン Third BEAT!』視聴者の心を揺さぶるドラマチックな音楽 サントラで追体験するアイドルたちの激動の物語
また今回は英詞ボーカルを多用した楽曲が多くある。単体でも美しく響く曲ばかりだが、劇伴としてもより印象深いものになっている。例えば、アニメ第3話「亀裂」で使用された「Hurt each other’s bonds」は、「WiSH VOYAGE」のフレーズを織り交ぜた中にも静かに激しい慟哭が、リズム、ギター、そして英詞ラップによって表現されている。先行上映会版のエンドロールで使用された「Beside you…」でも、爽やかなギターサウンドの中に切なさを残した女性ボーカルが、メンバーがそれぞれを大切に想いながらも亀裂を作り出してしまうもどかしさが感じられる。
各話のタイトルと共に流れる「SEVEN TONE」も1期、2期同様に様々なバージョンが収録されており、物語を象徴するような音色を聴き比べるのも楽しい。
あらゆるシーンで、音楽の効果は絶大であった。洋画や海外ドラマのようなドラマチックな劇伴があるからこそ、無音の場面ですら場を彩る音楽のようにじわじわと心を揺さぶってくるのだ。いわゆる“アイドルアニメ”らしからぬ、だがしっかりとアイドルを人間として描いた“アニナナ”ならではの演出である。
このサウンドトラックをあらためて聴くと、アイドルやファンを含めた周囲の人々が、それぞれの苦悩や喜びを抱きながら生きていることがリアルな体感として得られる。『UNTOUCHED PRiDE』は1年半以上にも及んだアニナナ3期の激動の物語を追体験することができる一枚である。
■リリース情報
TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』オリジナルサウンドトラック 『UNTOUCHED PRiDE』
アーティスト:加藤達也
¥3,300(税込)
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