来日間近のMegadeth、マーティ・フリードマンとの再共演を見逃せない理由 メタル史を切り拓いたギターソロ誕生秘話

 1985年に1stアルバム『Killing Is My Business… and Business Is Good!』をリリースして以来、今でも世界的に人気を誇っているメタルバンド、Megadeth。Metallica、Slayer、Anthraxと共にスラッシュメタルのBIG4の一員であり、テクニカルでかつ複雑な楽曲でMegadethは最も人気なメタルバンドのひとつとなった。

 Megadethは2月24日より、日本武道館公演を含む6年ぶりのジャパンツアーを行うことが決まっており、バンドの全盛期を支えたギタリストであるマーティ・フリードマンが参加することが大きな話題となっている。マーティは1990年から2000年までMegadethのギタリストを務めており、バンドの“クラシックラインナップ”のメンバーとして大きな存在となった。2004年からは日本でタレントやマルチアーティストとして活躍しており、Megadethとは23年ぶりの共演となる。

メガデス、初の日本武道館公演で、マーティ・フリードマンと奇蹟の共演が決定!

 マーティはMegadethで、アルバム『Rust In Peace』(1990年)、『Countdown To Extinction』(1992年)、『Youthanasia』(1994年)、『Cryptic Writings』(1997年)、『Risk』(1999年)に参加しており、特に『Rust In Peace』と『Countdown To Extinction』はMegadeth史上で最も影響力があったアルバムとも言われている。『Rust In Peace』は多くのメディアに最も偉大なスラッシュメタルアルバムの一枚として選出されており、特にデイヴ・ムステイン(Vo/Gt)のソングライティングと、マーティのギターソロは絶賛されている。

マーティ・フリードマン

 デイヴは、マーティが武道館公演に参加することについて、以下のようにコメントしている。

「私とマーティは最後に共演してから、23年以上友人でいる。私は彼の音楽を毎晩聴いてるし、彼は最も素晴らしいギタープレイヤーの一人だ。マーティが参加するのは、ファンだけではなく、私にとっても素晴らしく特別なことだ。ファンが楽しむのと同じぐらい私も楽しむだろう。私はパフォーマンス中にマーティのことを盗み見するだろう。“DOMO ARIGATO, マーティさん!”」(※1)

 また、マーティは以下のようにコメントしている。

「とても長い時間が経ちました。正確には、最後にデイヴ・ムステインと共演してから23年です。私たちはそれから全く違う道を歩みましたが、私はMegadethの歴史と伝説の一部であったことをとても誇りに思っています。また、私が脱退してからもMegadethが数々の実績を残し続けたことも誇りに思っています。今はとても楽しみで、アドレナリンがたくさん出ています。武道館というクールな場所でMegadethと一緒に演奏できることを楽しみにしております」(※2)

 Megadethで数々の名作に参加してきたマーティだが、特に『Rust In Peace』がその後のメタルに与えた影響は計り知れない。同作について、ヘヴィメタルマガジン『Decibel』誌は「ジャンルを定義づけた作品」と、『Kerrang!』誌は「1990年代のヘヴィメタルの新しいスタンダードをセットした」と評価している。歌詞もそれまでのMegadeth以上に政治色や社会的メッセージが強い内容となっており、宗教戦争を否定した「Holy Wars… The Punishment Due」ではデイヴの歌詞も称賛されている。

Megadeth - Holy Wars...The Punishment Due

 『Rust In Peace』ではデイヴのリフの素晴らしさはさることながら、「Tornado of Souls」「Lucretia」「Hangar 18」などにおけるマーティのギターソロがアルバム全体のスパイスとして欠かせない存在となっている。特に「Tornado of Souls」のギターソロはロック/メタル史上最も偉大なギターソロの一つとして今でも頻繁に語られる。エキゾチックなスケール感、まるで曲の構成を作るかのように巧みに練られた展開、演歌のこぶしのようなビブラート、特有のピッキングスタイルからくるアタック感……1音ずつ細かく意識と心が込められていることがわかる(余談ながら、筆者は生でマーティの「Tornado of Souls」を観たときには感激し、次の日に高熱を出した経験がある)。

Megadeth「Tornado of Souls」

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