JO1 川尻蓮ら、ダンス&ボーカルグループへの転向も VTuber、2.5次元舞台……広がるダンサーの活躍の幅

 2000年代前半くらいまで、日本において「ダンサー」という存在は目立った職業とは言えなかった。しかしここ数年で、ダンスがグッと身近になったのではないだろうか。「◯◯ダンスのコンテストで世界一を獲った」とメディアに出演するダンサーも多くなっている。その一方で、ダンスで食べていく道は極めて限られていた。100%ダンスだけで生活するには、賞金が出るコンテストで優勝を重ねる、クラブで踊る、振付師など、限られた選択肢のみ。しかも、それで成功できる人はほんの一握りだ。ダンス教室のインストラクターという道もあるが、専業でやっている方は多くはない。だが、昨今急激にダンサーの活躍の幅が広がってきているように感じる。

 まず挙げられるのは、アイドルやダンス&ボーカルグループへの転向だ。狭き門であることに変わりはないのだが、バックダンサーや振付師から転身している人も増えてきている。例えば、Stray Kids・リノ、JO1・川尻蓮、INI・西洸人、木村柾哉、INTO1・RIKIMARU、元IZ*ONEのイ・チェヨン、クォン・ウンビ……など挙げればきりがないほどである。彼らはダンサーとしての経験を存分に活かし、グループをダンス面から牽引して活躍を見せている。

 さらに、近年ではダンス系VTuberという道も拓けた。例えば、本格ダンス系VTuberのバーチャルダンスバトラー -VDB-。彼女たちはAdo「踊」や『ウマ娘プリティーダービー』のテーマソング「うまぴょい伝説」など幅広い楽曲を踊っており、人気急上昇中だ。

::Vtuber×DANCE:: ガチダンス系Vtuberが「踊」を踊ってみた。

 また、2022年12月からTikTokをメインに本格始動したプロダンスチーム「Valuence INFINITIES」公式VTuberのフィニティ、ダンスコンテスト『VRC Dance Challenge』を主催する海夏青など、ダンス系VTuberは年々増えてきている。それもこれも、モーションキャプチャー技術の進化があってのことだ。ヒットなどの細かな動きまで再現できるようになったため、2次元、3次元を問わずダンサーたちは踊ることが可能になった。それに伴ってモーションキャプチャーで動きをつけたり、ダンスを踊ったりする「モーションアクター」なる仕事も誕生。今では欠かせない職業となっており、ダンサーの新たな選択肢の一つに。他にも音楽活動を行うVTuberがライブをする際の振付師というポジションが増えるなど、ダンサーと技術の進化が組み合わさることで、道が広がっているのだ。

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