風男塾、風王の歓声とともに見せた15年の歴史を背負う覚悟 アンコールには青明寺浦正&愛刃健水も登場
2007年の始動以降、“人を元気にする”をモットーに活動を続け、2022年9月24日にデビュー15周年イヤーに突入した男装ユニット、風男塾。12月30日に東京・渋谷ストリームホールにて、彼らの年末恒例行事となっている『風男塾 黒白歌合戦 2022』が、司会に“風男塾15周年PR大使”青明寺浦正と愛刃健水を迎え開催された。昼公演と同じくSOLD OUTとなった夜公演『風男塾 SPECIAL LIVE 2022』は、現メンバーの柚希関汰、英城凛空、葉崎アラン、胡桃沢鼓太郎、赤星良宗、天堂太陽、凰紫丈源に加えて、アンコールには青明寺浦正と愛刃健水も登場。その模様はニコニコ生放送でも同時配信され、大勢の風王(ファン)と共に2022年を締め括った。
公演前から、影アナウンス担当・鼓太郎の「お陰様で、本公演SOLD OUTいたしました! ありがとうございます!」という声に、拍手が沸き起こっていた場内。「声出しの準備はできてますか!?」と煽れば、場内は早くも熱気を帯びる。そして、風王が口々に叫ぶ名前と、色とりどりのペンライトがメンバーたちを迎え入れる中、歴代メンバーが大切に歌い繋いできた代表曲「同じ時代に生まれた若者たち」のイントロが流れ始めた。デビュー当時の風男塾を彷彿とさせる制服姿で、一列に並んだマイクスタンドを背にして両手を広げる7人。力強い掛け声を全身に浴びて風王と向き合ったその顔には、この時を心待ちにしていた喜びや、精力的に行っているライブ活動で手にした自信など、さまざまな想いが浮かんでいる。それらを一つに束ねてエネルギッシュに届けていく姿は、メンバーの過半数が約半年前に加入したことを忘れるほど頼もしく、画面越しに見守る視聴者の心も全力で鷲掴みにしていた。特攻隊長・アランの「2022年ラスト、限界まで盛り上がっていくぞー!」という煽りで加速したロックチューン「Dash&Daaash!!」では、多彩なフォーメーションとダンスパートで魅了。サビで高く上げた足が、このライブに懸ける意気込みを物語る。現メンバーが初めて発表した応援歌「Hello Hello」では、デジタルネイティブ世代ながらも、体当たりで元気を届けてきた彼ららしいメッセージが、客席にたくさんの笑顔を咲かせていく。と同時に、ニコ生配信のカメラは、2階席で見守る先輩たちにビッグスマイルを送る丈源と、思わず険しい表情になる関汰のアップもしっかりキャッチしていた。それもそのはず、この日のセットリストは浦正と健水が考案した“神セトリ”。風王の期待も高いだけに、現役メンバーにとってはいつも以上に気合いの入るステージだったことだろう。
「波~! こんばん波!(メンバー)」「わー!(風王)」の掛け合いから始まった最初のMC。太陽から順番に自己紹介をしていくと、風王がメンバーの名前を呼ぶ声もどんどん大きくなり、その様子がモッツァレラチーズゲーム(順番にモッツァレラチーズと言い、少しずつ声を大きくして繋いでいくゲーム)みたいだと言う関汰に笑いが起きる。12月に開催した『風男塾クリスマスライブ 2022〜No Silent Night〜』でも、2日連続で全4公演を終えた遠征の帰りに、メンバー同士でモッツァレラチーズゲームをやっていたというエピソードが飛び出し、彼らの仲の良さを伝えた。だが、「風一揆」に突入すると、すぐさま勇ましい表情に。ダイナミックなダンスと力強い歌声で、15年の歴史を背負う覚悟を見せつける。イントロからコメント欄が沸いていたデビュー曲「男坂」は、7人それぞれの“風器”(武器)を構えながらパフォーマンス。凛空と丈源がそれぞれ風器を掲げて叫ぶ台詞パートもあり、アーティストという枠を越えてマルチに活躍する風男塾の生き様を示していた。その後、浦正と健水がクセの強い影アナで煽り、現体制では初披露となる「風にのって」へ。関汰の穏やかな歌声が最後のフレーズをなぞると、場内は温かな余韻に包まれた。
中盤にはユニット曲も届けられた。おもむろにジャケットを脱いだ関汰、アラン、鼓太郎は、英語の発音に定評のあるアランがリードし、コンサ・ドゥ・ワニーナワニーナ(赤園虎次郎、愛刃健水、仮屋世来音)のダンスチューン「Fighting Man」を披露。クールな表現が得意な関汰・アランは、健水から伝授された技を上手く取り入れ、ますますセクシーに。普段はあざとかわいい鼓太郎も、キレのあるダンスと堂々たるフェイクで新たな一面を見せる。
一方の凛空、良宗、太陽、丈源は、動物の耳をつけた可愛らしい姿で現れ、デジキャトル(武器屋桃太郎、緑川狂平、青明寺浦正、雪村涼真)の「カラフルプランタン」を披露。曲中、高身長の凛空・丈源ペアが作るトンネルの下で、良宗と太陽がキュートに寄り添うと、客席から「かわいい」の声が。良宗・太陽ペアが作るトンネルを凛空と丈源が小さくなってくぐると、すかさずコメント欄に「(トンネルの高さが)低い」のツッコミが入り、笑顔溢れるステージとなった。ちなみに、「カラフルプランタン」に関しては、「限られた時間の中で先輩方が教えに来てくださって。浦正くんなんて、これ5人の振りなのかな? 本番もやられるのかな? って思うくらい、練習中はセンターでずっと踊ってて」(関汰)、「リハも5人で踊ってたからね(笑)!」(凛空)と浦正の熱血エピソードが明かされる場面も。当時のメンバーが着ていた衣装を身につけていた4人は、“押し入れの香り”ならぬ“歴史の重み”を感じながら、ユニットブロックを終えたのだった。