香取慎吾に聞く、“新しい地図”を広げてからの5年 稲垣吾郎・草彅剛との心地よい距離感、この先に向けて芽生えた思い

その場限りのチャンスを掴む5年から、継続していく5年へ

――くろうさぎといえば、2023年は『Black Rabbit』と銘打ったソロライブが開催されますね。満を持してのタイトルという感じがしますが。

香取:これは最初から狙っていたわけじゃなかったんです。個展を始めるときは、2023年がうさぎ年だってことにもまだ気づいてないくらいで。でも、こう個展をしながら、ソロライブのことも同時に考えていて、まさに『WHO AM I』状態になったときに、“俺は誰? 『Black Rabbit』! しかも、うさぎ年!”と。

――そういう流れとご自身のタイミングが意図せずとも交差することって、多いですよね。それがスターたる所以かなとも思いますが。

香取:自分のことでも“うわ、ここつながってきている”みたいな、そういうことがすごくあるんですよ。やっぱり“彼”は持ってるなと(笑)。香取慎吾プロデューサーであり、香取慎吾ファンとしては、たまらないですよね。

――香取さんから見て、この5年で“香取慎吾”が変わった部分というのはありますか?

香取:もともと2020年にさいたまスーパーアリーナでソロコンサートを1日1公演だけやる予定だったんですけど、それがコロナの影響で中止になってしまって。でも、もしあれをやっていたとしたら、明治座の『東京SNG』(『香取慎吾 二〇二二年 四月特別公演 東京SNG』)はなかっただろうなって思うんですよ。当然、京都劇場(『香取慎吾 二〇二二年 六月京都特別公演 東京SNG』)もないし。僕の歴史が変わったなって思っています。

――それは会場の大きさという点で、でしょうか?

香取:そう。初めて1人でやるライブとして約3万人規模のさいたまスーパーアリーナをやっていたとしたら、約1400席の明治座で1カ月公演をやってみようという話には、なかなかならなかったんじゃないかと。明治座や京都劇場は、自分の中でコンサートでもライブでもなくてショーだと思っていて。それがとても好きでしたね。コンサートやライブというのは、子どものころからずっとやってきているけど、ショーというものは初めて作られた僕の中の新しい武器というか。新しいものに出会えることってすごく貴重なことなので。『Black Rabbit』では、また少し大きい会場でやることにはなるんだけど、かといってそこからさらに大きいところを目指して……というのは全然なくて。大きいところで、久々にみんなでパーティーしたいなという感じ。

――できることの幅が、さらに広がったという感じですね。

香取:そうですね。でも、今回『Black Rabbit』の準備をしていて感じたのが、もう削らなきゃいけない曲があるなって。ソロで『20200101(ニワニワワイワイ)』と『東京SNG』という2枚のアルバムを出させてもらって、もう全部の曲を披露することはできないから。そう考えると、5年前と全然違いますね。

――ファンミーティングの舞台裏に密着した動画もYouTubeで拝見しましたが、あの規模も久しぶりの光景でしたね(※3)。最近ではイベントなどの舞台裏を映し出す動画「香取慎吾に密着したら」シリーズもコンスタントに公開されています。「密着慣れしすぎている」というコメントが面白かったです。

香取:あの景色はすごく久しぶりだった。密着慣れね! 今回はファンミーティングだし、稲垣さんと草彅さんがいたし、普段とは少し勝手が違ったというか。これから参加する人たちもいるので本番なんて映しちゃダメだし、気づいてよかったですよ。勝手にガンガンやっていったら怒られるところだった(笑)。

――動画の中でも、今後もっといろんなところに行って撮っていきたいという言葉もありましたが、今後やっていきたいこと、これからの5年についてのイメージはありますか?

香取:ちょっと前までは「今こうして個展ができるのはすごいことで、今後ないかもしれないから、今にすべてをぶつけていこう」って思ってきたんです。でも、最近はちょっと考え方が変わってきていて。それこそさっき言ったライブやコンサートだけじゃなくてショーもまたやりたいなとか、個展で改めて自分の絵と向き合ってみてまだまだ描きたいなとか……今回限りという感覚じゃなくて、継続していくというか。もっと楽しいことを続けていく、作っていく。それで応援してくれるみなさんともっと交流を続けていきたいって思うようになったんです。なんで、こう変わったんですかね? なんなんだろう。

――5年かけて新しいベースができた感じはありますよね。この5年の経験を土台に、さらに積み上げていく感覚というか。

香取:そうかもしれない。個展も、最初パリでやったとき、もう次なんてないと思ったけど、日本でもできたし。明治座での公演も2回目ができたし(2021年に『さくら咲く 歴史ある明治座で 20200101 にわにわわいわい 香取慎吾四月特別公演』を開催)。そういうのがつながっていってるからかな。「次はどんなアルバムにしよう」「次やるならこんな個展がしたいな」って自然に考えるようになってきたんだと思います。

――もう次の個展のイメージも!?

香取:まだ何も具体的には決まってないですけど、やるなら全部初出展になると思います。それぐらい出していない作品がまだまだあるので。そうなるとパリ、IHIステージアラウンドで出展してきた作品たちが今回100点あるけど、それらはしばらく見れなくなるということですね。

――では、今回の個展で目に焼きつけておかないと。とはいえ、この個展のツアーもまだまだ続きますしね。

香取:そうそう。2024年まで予定しているので。この先の5年も、きっと楽しくなると思います。

※1:https://www.youtube.com/watch?v=1qcn0Yrj6TI
※2:https://www.youtube.com/watch?v=WBWiCRmCs1Q
※3:https://www.youtube.com/watch?v=f_xsg3PxF8I

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