星街すいせい、次作アルバムは“ロック”な仕上がりに? 田淵智也、キタニタツヤら豪華作家陣との挑戦を読み解く
星街すいせいが、2ndフルアルバム『Specter』を2023年1月25日にリリースする。
ホロライブ所属のVTuberとして活躍しつつ、類まれな歌声を活かしシンガーとして旺盛な音楽活動を繰り広げる星街。特にここ2年はアーティストとしての活躍の場を広げ、躍進を果たしてきた。
2021年9月に1stフルアルバム『Still Still Stellar』をリリースし、同年10月には自身初のソロライブを開催。さらに2022年に入ってからは、1stアルバムのリード曲「Stellar Stellar」を手掛けたサウンドプロデューサー・TAKU INOUEとの“ユニバースミュージックプロジェクト”Midnight Grand Orchestra(以下、ミドグラ)を3月に始動。ミドグラは7月に1stミニアルバム「Overture」をリリースし、8月にはバーチャル空間を舞台にした初ライブを行った。
9月からは喉の手術のため約1カ月半の活動休止期間に入っていたが、11月4日に復帰配信ライブを開催。そこで発表したのが、『Specter』のリリースと2ndソロライブ『Shout in Crisis』の開催だった。
その日の配信ライブで披露された新曲「灼熱にて純情(wii-wii-woo)」をはじめ、現時点で先行配信されているいくつかの楽曲、そして発表されている情報から『Specter』の方向性を占いたい。
まず言えるのは、相当にエネルギッシュなアルバムになるだろうということ。全11曲収録で、楽曲提供の作家陣にはAyase、キタニタツヤ、ケンカイヨシ、郡陽介、じん、田淵智也、ナナホシ管弦楽団、にお、ポリスピカデリー、MI8k、宮田'レフティ'リョウといった名前が並ぶ。豪華クリエイターが集った布陣だ。
「灼熱にて純情(wii-wii-woo)」は田淵智也が作詞作曲を、堀江晶太が編曲を手掛けた一曲。畳み掛けるようなドラム、ド派手なスラップベースがインパクト大の、アグレッシヴなロックナンバーだ。バンドサウンドの疾走感あふれる曲調に、かなり細かく言葉を詰め込んだ歌のメロディを持つこの曲。ボーカルの難易度は相当高いのだが、このスピードを自在に乗りこなしつつエッジボイスやファルセットも交えた多彩な歌の表現を聴かせるところがポイントだ。リズムチェンジと共にラップに飛び込むBメロも耳を引く。とにかく忙しない曲展開で、あっという間に聴き終えてしまうような感覚がある。