A4。や⌘ハイノミら、注目ルーキー集うクルー Gamble Loom=GaL VOCALOIDシーン切り開く可能性の芽
ルーキーらしい爆発力を見せる面々の存在感が強い一方で、先述のクルー首謀者・匿名ゲルマら盤石の姿勢を見せるメンバーが揃う点も、GaLというチームのユニークポイントだ。名義を転々としながらもボカロP活動歴10年を超え、現在も「Locust」「ΣΔlice」などの楽曲制作を精力的に行うYamaji。「化けの花火」「アルス・ノーバ」などで退廃と洗練を織り交ぜた独自のサウンドメイクを行うMizore。「ツァイトガイスト」「ディザスターガール」など、楽曲制作のみならず映像制作もすべて自身の手で行うlogico。また自身もボカロPとして活動を行う傍ら、同クルーメイトの様々な楽曲でベースやギターなどのサポートプレイを行い、名実共にチームを屋台骨として支えるハグミー、ヒロモトヒライシン。そして唯一ボカロPの経歴を持たないFüga-Fücaの存在も、今後このチームにどのような影響を及ぼすか注視していきたいポイントだろう。
最近のGaLの活動には、今年8月に行われたCeVIO AI・#kznをメインボーカルに使用した楽曲連続投稿企画「#ギャルれんぞくリリースきかく」、そして11月12日のインディー盤コンピレーションアルバム『YUMMY-NABE #1』リリースが挙げられる。ポップで洗練された最新鋭の大衆的トレンド感と、元来ボカロシーンが持つややドープな風土の二つの間に起こるケミストリー。それこそが、この新進気鋭のクルーの最たる見どころだ。刻一刻と流動するVOCALOIDカルチャーの中で、スクラムを組み新たなムーブメントの震源地となる兆しを見せるGaL。どこまでも楽しくポップに、そしてノリ良く遊ぶ。そんな「GaLマインド」を携えた13人のサウンドメイカーたちが、次世代のボカロシーンを、そしてメジャーな音楽シーンをも独創的に切り開いていくだろう。
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