KinKi Kidsメンバー分析 第2回:堂本剛が見せてきた“自分らしい”生き様 苦しみと向き合う表現が持つ説得力
「自分らしく生きる」ための1ミリの勇気
堂本剛の表現は、ときに「シュール」と評されることがある。最近も自身のInstagramにて日に日に眉毛が太くなっていく姿が注目を集めている。ラジオで「意味はなかった」と明かしているが、それでも私たちはどこか“堂本剛らしい”と思ってしまう。そして、いつもその“堂本剛らしさ”を通じて、誰かによって勝手に創り上げられた枠組みがあることに気づかされるのだ。
“堂本剛らしいファッション”と呼ばれたスタイルもそう。「アイドルだから」「男性だから」こういう服装をしなければならない、なんてことはない。自分の着たい服を着て、したい髪型をすればいいのだ。それをできないと思っているのは、むしろ自分自身の思い込み。堂本剛のソロ名義・ENDRECHERIの音楽もそう。「ホットケーキが好きだから」という気持ちで作られた「4 10 cake」なんていう楽曲もあるくらい、もっと軽やかに、何かを生み出すことを楽しめばいい。
いつだって堂本剛の表現は、「自分の人生を自分は生きる権利がある」ということを思い出させてくれる。その言葉や音楽が「説法」と呼ばれるのも納得だ。もともとは決して芸能人に向いている性格ではなかった堂本剛。創り上げられたトップアイドルの枠組みに自分を当てはめ、東京の忙しなさに心を亡くしかけたこともあった。そんなときに「誰が決めた自分なのか。自分で決めた自分でいいじゃないか」とファンクミュージックに救われ、解き放たれたのだそう。
「自分らしく生きる」とは、今の時代を象徴するキーワードかもしれない。いつも時代の一歩先を見つめて、その揺らぎの中で苦しみ、傷つき、そして道をならしてくれた堂本剛が、今放つ言葉は「1ミリの勇気」だ。「一度立ち止まって、自分の心は『どうしたいのか』と問い掛ける」「そして1ミリでいいから意志と動く勇気を出す。1センチだとしんどかったら、1ミリ動くだけでじゅうぶん」と今年6月のインタビューで答えている(※2)。その変化には「シュール」だと驚かれることもあるかもしれない。ときには「あなたならこうすべき」と既存の枠組みに引き戻そうとする声も上がるかもしれない。でも、その1ミリの勇気さえ出せば、現実は確実に変わっていく。何よりも、堂本剛の生き様そのものがその根拠だ。これからも、そんな堂本剛の“らしさ”にハッとさせられ、乗り越えた言葉に勇気をもらい、そして歌声に癒やされたい。KinKi Kidsとして、ENDRECHERIとして、そして堂本剛として、何にもとらわれない自由な表現で私たちを魅了し続けてくれることを願っている。
※1:https://www.oricon.co.jp/news/2024374/full/
※2:https://news.line.me/detail/linenews/9f40f623eeb5
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