ALI、“自分たちだけの音楽”を研ぎ澄ませたバンド同士の熱い共演 BRADIOを招いた『JUNGLE LOVE 2022』レポート

 そして「後半戦、楽しんでいきましょう!」とLEOが呼びかけて、セットリストは前半よりもファンクやディスコ、そして90’sなムードを帯びていく。

 ここで強力な助っ人としてサプライズ登場したのは、Mummy-D(RHYMESTER)。RHYMESTERの「B-BOYイズ厶」と「The Choice Is Yours」が彼とともにパフォーマンスされる。ロングジャケットでラップする姿は、まるでソリッドな16ビート上でグリッドの真ん中を撃つガンマンのようだった。さらにLEOとユニゾンするセクションは、本ライブのハイライトのひとつだった。先輩の力を借りて、ステージの熱量のギアがさらに一段階アップ。世代を超えたコラボレーションの妙である。

 そしてラッパー・KAZUO、コーラスのIMANIがフィーチャーされた「FEELIN’ GOOD feat. KAZUO, IMANI」へ。2MCによる畳みかけに会場全体が拳を突き上げる。間髪入れずに「LOST IN PARADISE」に流れていくと、オリジナルでラップしているAKLOのバース部分を新たにIMANIが上書きしていった。

 本編最後の「Funky Nassau」の4つ打ちビートで盛り上がりは頂点に到達。中盤では、メンバー3人とドラムのみによる見せ場も。LEOがトランシーにマイクスタンドを振り上げ、エモーションを炸裂させる。エンディングは16発の連打に続いて、17発目に持続音、とどめの18音目でオーディエンスの心を貫いた。そのままメンバーたちは退場。

 「アンコールありがとう!」ほどなくして、ステージにALIが戻ってくる、しかもMummy-Dを連れて。この日唯一と思われる、打ち込みビートを同期をさせた「NEVER SAY GOODBYE」でステージが再開した。低音を強調した重めなサウンドをホーンセクションはチューバ、バリトンサックス、トランペットという異色な組み合わせで表現。

 さらにアンコール2曲目「FIGHT DUB CLUB」で、もう一度バンドのコンセプトでもある「LOVE, MUSIC AND DANCE」でフロアを満たした。印象的なエスニックなメロディとともにタオルを振り乱しながら、終幕へ向けて追い込んでいく。持続する熱さのなかでALIはセットリストを完走。余韻を残したまま、ライブの幕が下りた。

 これを以て本ツアーは終了。ALIの現在地を示すだけでなく、BRADIOとの相性の良さをも証明する夜となった。そして来年には、LEOが「進化したALIを見せる」とツイートしたワンマンツアーが控えている。そこに向け、活動がさらに加速し、進化を続けていくだろう。

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