KinKi Kidsメンバー分析 第1回:堂本光一、エンターテイナーとしての美学 ジャニーズエンタメを追求する揺るがぬ信念
“Show must go on”を体現していく存在に
この数年を振り返っても、個人の力ではどうすることもできない現実が多々あった。芸能界の親とも言えるジャニー喜多川が旅立っていったこと。そして“兄さんたち“として敬愛していたSMAPが解散したことも、堂本剛を襲った突発性難聴も、そして世界的パンデミックに見舞われてエンタメのあり方が揺らいだこともそうだ。しかし、堂本光一という人間はいつだって毅然と、そして愛情深く、残酷な現実と向き合ってきた。その姿は『SHOCK』シリーズで語り継がれてきた“Show must go on”そのもの。
そして、その言葉の持つ響きも時代によって変わってくると語っている。かつては何があっても幕を開け、何があっても途中で閉じることはあってはならない、という意味だったのに対して「つまずいた時に何ができるか。振り返って、そこから新しいものが生まれていく。そういったものにニュアンスが変わっていった」とし、「何があっても、柔軟性を持って動いていけたらいいなと思っています」とコメントしている(※4)。
今ではすっかりおなじみになった“ジャニーさんイジり”も、KinKi Kidsが最初だったと言われている。そのスタンスはジャニー喜多川が旅立った後も変わらない。音楽特番『音楽の日2020』(TBS系)という大きな舞台で、堂本光一はジャニー喜多川風の衣装に身を包み、「KANZAI BOYA」を歌うショーを見せてくれた。MCを務めた中居正広に絡んでいく流れも、SMAPとKinKi Kids双方のファンを喜ばせるものだった。悲しみにくれるよりも、今できることで笑顔を届けたい。堂本光一のエンターテイナーとしての熱い思いを感じられる瞬間でもあった。
堂本剛の突発性難聴に対しても、2人での合作「Topaz Love」へと昇華。20周年記念イベント中にファンの前で披露し、堂本光一の希望により堂本剛が急きょ詞の一部を書くというグッとくる展開もあった。さらにこのパンデミックを受けて舞台が中止になった際には、帝国劇場からInstagramで2時間以上に渡って生配信を決行。これは帝国劇場としては1911年の開館以来初のことだったと言われている。
いつだって何か新しいことを探し、柔軟にステージの幕を上げてきた。その姿があまりにも凛としていたため、泥臭く感じられないのも、彼のスター性ゆえだろう。しかし、こうして振り返ると彼の貪欲さが見えてくる。そして、その熱意はこれから後輩たちの舞台を通じて受け継がれていくのだろう。
2020年からは舞台『DREAM BOYS』の演出家として正式にクレジットされ、2023年1月から始まる『JOHNNYS’ World Next Stage』では、東山紀之、井ノ原快彦と共に演出を務めることが発表された。3人での演出というのは、長年舞台に携わってきた堂本光一も未知の挑戦だ。そしてなおも彼の口からは、あの人の名前が挙がる。「ジャニーさんが残した大切な作品から継承していくべき部分、そして、これから生まれてくる新しい部分を融合できればと思っています」(※5)。Mr.“Show must go on”とも言える堂本光一が、これからも時代の変化と共に新しいジャニーズエンタメを届けてくれるのを楽しみにしている。
※1:https://rockinon.com/news/detail/166240
※2:https://baila.hpplus.jp/51550
※3:https://maquia.hpplus.jp/life/news/74625/
※4:https://news.dwango.jp/moviestage/58828-2102
※5:https://www.oricon.co.jp/news/2255339/full/
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