『BAD TOWN REVERSAL』キャスト全員集合インタビュー 個性豊かな面々語り合う、“カジノדライブ”メディアミックスの魅力

 昨年8月からの公開オーディションを経て、「カジノ」×「ライブ」×「男性キャラクター」をミックスした音楽プロジェクト『BAD TOWN REVERSAL』が本格始動。「Bear Castle」「KRT CLUB」「Magnolia」という3つのカジノが熾烈な抗争を繰り広げる物語で、音楽プロデュースを1993年の「Bomb A Head!」のヒットや、DA PUMPのプロデュースなどで知られるm.c.A・Tが担当していることでも話題。7月30日には東京・渋谷WWWXでワンマンライブ『BAD TOWN REVERSAL 01 〜BLACK BET〜』が開催され、ド派手なトラックの上でキャストが歌い、アグレッシブにダンスを繰り広げて集まったファンを熱狂させた。また、新キャストとして小野賢章(午堂巽役)、伊東健人(財前嶺二役)も発表され、期待が高まっている。

 Bear Castle:石田流星(厳島 鏡役)、川井雅弘(大河原水崎役)、島倉凱隼(一式和彩役)、KRT CLUB:向野存麿(両角省吾役)、小溝七夢(葉隠 立役)、とまん(黄蜂智也役)、Magnolia:安部 瞬(古賀伊月役)、小黒幸希(岩塚黎斗役)、奥山敬人(稲垣弘也役)の9人が集結。『BAD TOWN REVERSAL』の魅力、人生最大の賭け、そして9月28日にリリースするシングル『BAD TOWN REVERSAL First Show Side Bear Castle』『BAD TOWN REVERSAL First Show Side KRT CLUB』『BAD TOWN REVERSAL First Show Side Magnolia』について語ってもらった。(榑林史章)

今生きていることがギャンブルみたいなもの!

ーー『BAD TOWN REVERSAL』(『BTR』)というコンテンツに関わるにあたって、どう思いましたか?

石田流星:ただアイドルというだけでなく、カジノとライブをくっつけたところに驚きましたし、新しいなと思いました。カジノを取り入れたことによって、活動の幅に広がりがあって今後がすごく楽しみです。

島倉凱隼:ライブとか男性キャラクターという要素に、アダルティで危ない世界をプラスしていて「攻めているな」という印象。脚本・原作の深見真さんは『PSYCHO-PASS -サイコパス-』シリーズなどをてがけていらっしゃるということで、脚本によって今後どうなっていくのかすごく楽しみです。

川井雅弘:きっと息が長いコンテンツになるんじゃないかと思います。今は未成年のお客さんが、何年後かに成人してカジノに行ける年齢になった時にこそ、『BTR』というコンテンツの本当の面白さに気づけるんじゃないかなと。ぜひ俺たちの可能性にベットして欲しいです!

向野存麿:我々役者がライブ配信でギャンブルゲームにも挑戦しているのですが、それは観ている側も臨場感が味わえて、素敵だなと思います。俺は性格的に絶対のめり込んでしまうからギャンブルは控えているんですけど、だからこそカジノゲームに参加して、みんなと勝負できるのはすごく面白いし楽しいです。男はスリルが好きな生き物ですから!

とまん:実際に声優と会うことはなかなかできないけど、カジノやキャラクター文化を絡めたこういうコンテンツで、ライブを通して実際にお客さんの目の前に立つ。お客さんにきっと新しい経験を与えられるんじゃないかと思いますね。

小溝七夢:僕はもともと声優をやっていて、芝居や声を出すことは好きだったんですけど、ダンスの要素があるコンテンツは初めてで、でもずっと興味はあったんです。そういう好きだったものと、興味があるものが重なって、このコンテンツを知った時はすごくワクワクしました。このワクワクをみんなにも届けたいです。

安部瞬:今は男性キャラクターを軸にライブ展開も行うコンテンツが増えていますが、その中でカジノをコンセプトにすることによって、他のコンテンツとは違った魅力が発揮され、今後の展開もより広がっていくと思っています。それはすごく面白そう、「絶対に参加したい!」と思ってオーディションに挑みました。それに、グループで歌ったり踊ったりすることに憧れがあったので、ずっとやってみたかったことに関わることができてすごくうれしいです。

小黒幸希:『BTR』というコンテンツにはいろいろな要素があって、歌って踊ることがメインなのか、キャラクターのストーリー展開がメインなのか、最初は何がメインなのか疑問だったんです。実際に始まって分かったことは、全部が本気だということ。深見さんによる脚本、『Fate/Grand Order』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』などのイラストを手がけている、悌太さんによるキャラクターデザインなど、こんなに全部の武器が強くていいのかっていうくらい。僕らがそれに負けないように、もがいて成長する姿を観てもらうことも、このコンテンツの魅力だと思います。

Bear Castle(島倉 凱隼、石田 流星、川井 雅弘)

ーー最後に奥山さん。

奥山敬人:もう何も言うことは無いんですけど(笑)。

石田:インタビューのたびにトリだから(笑)。

奥山:まあでも、僕はライブを観るのも出るのも好きだから、オーディションを受けた時も、ステージでパフォーマンスする自分を想像していました。メンバーの中にはライブが未経験の方もいたんですけど、ダンスレッスンなど稽古を重ねて行く過程で、みんながどんどん成長して行くのを感じました。『BTR』のキャラクターとしてのイケイケな部分と、ライブでは僕たちの生身の部分、両方を観てもらっていろんな楽しみ方をしてほしいなと思います。

ーー昨年皆さんがオーディションを受けたこともギャンブルだったと思いますが、それぞれの人生での一番の賭けは何でしたか?

石田:役者の世界に飛び込んだことですね。工業高校出身なので、いろいろな免許や資格を取得して。それを使った仕事を、という道もあったのですが、芝居の道に進むという決断をしました。その上で、『BTR』という大きなコンテンツのオーディションに合格することができたことは、ある意味で賭けに勝ったと言えるのではないかと思います。

川井:ポップなギャンブルで言うと……僕は辛いものが得意ではないのですが、初めて行った激辛の鍋屋さんで辛さレベル7を頼んで食べました!

島倉:そこ!?

川井:それか、レッスンの日が大雪の予報だったので、入り時間ギリギリまで寝てました。

とまん:結局レッスンはどうなったの?

川井:休みでしたよ。僕も賭けに勝ったという(笑)。

向野:僕も石田くんと似ているんですけど、芝居の世界に入ったことでしょうね。中学を卒業してから、普通の高校ではなく芝居の勉強ができる学校を選んだことは、一つギャンブルだったんじゃないかと。今こうしてお仕事をさせてもらっているという面で、賭けて良かったなと。

島倉:人生となると、ここにいる人たち全員そうですよね。そもそもこの仕事はすごく倍率の高い職業で、しかも成功するかも分からない。そこに飛び込んでいろいろな経験をしてきた、全員が人生を賭けてて、全員が自分のやりたいことにベットして、最終的に勝ち取った。そういう意味では全員が一番だと言える。

ーーここには、賭けに勝った者だけが集まっていると。奥山さんは?

とまん:一番経験豊富だから、いろいろ出てくるんじゃない?

奥山:いや、僕は意外と堅実派なんです。だから、もともとは教員になろうと思っていたんです。でも、教育実習で子どもが苦手なことに気づきまして(笑)。それで何か面白い仕事を探して、この仕事にたどり着いたという。

ーー小溝さんは?

小溝:借金と言うか。

安部:いきなり!

小溝:以前はYouTuberをやっていたんですけど、その機材を買うにあたっての借金だったんです。つまり先行投資。結果、成功して元も取れたので良かったです。

安部:僕もリスクを冒してまでやりたいことなら、失敗しても結果オーライだと思っています。自分がこの業界に入った時は大阪の大学に通っていて、レッスンを受けるために交通費自腹で毎週東京に通ったんです。それも2年。最初は無理だと思ったし、通ったからと言って成功するかも分からない。でも、今はそれがやりたいから、失敗になったとしてもいい。結果的に今、ここでこうしているので、良かったなと。

小黒:僕も大学時代に声優を始めたんですけど、理系の学部だったので4年生になると研究室に所属することが必修で、週に一度は必ず研究室に行かなくてはいけなかったんです。でもちょうど声優の仕事も忙しくなっていて。そこで教授に事情を話して、「家でできる研究をしたい。こういう研究をするのでどうでしょうか」と説得して、何とか了解を得ることができました。コロナ禍に入った時期で大学の授業はオンラインだったから、結局大学4年の1年間は一度も大学に行かず卒業することができました。これは割とギャンブルでしたよ。

向野:“教授マジありがとう”だったね。

石田:では最後に満を持して、とまんくんから。

とまん:ハードル上げないでよ(笑)。僕は15歳からこの仕事をやっていて、実家が宮城県で高校3年の時に震災があって。その経験で視点が変わって、事務所を辞めてオーストラリアに留学しました。そこでやりたいことが見つかればいいかなって。それはすごく大きな決断だったし、ギャンブルだったのかなと思います。

ーーオーストラリアで何があったのですか?

とまん:その時に、好きな服や行ったカフェを紹介する、ライフスタイルを発信するようなブログを書いていて、それをとあるプロデューサーが見つけて「東京に来る気はないか?」と誘ってくれたんです。でもオーストラリアに行ってまだ3カ月しか経っていなかったのもあって、最終的に1年くらいオーストラリアで英語を勉強した後に東京に来ました。ブログを見つけてもらったことも含め、結果ギャンブルは成功だったなって。

ーー川井さんは、さっきの話でいいですか?

川井:そうですね……どんな挑戦でもギャンブルとかあまり思わないので。

島倉:まあでも、今生きていることがギャンブルみたいなものだよね。

石田:新作のラテに手を出すかどうかとか小さいことも含めて、みんな日々いろんな選択をしていて、それはある種のギャンブルと言えるわけです。

関連記事