Snow Man、着実に更新していく“アイドル”としての経験値 2ndアルバム『Snow Labo. S2』での挑戦から考察

 Snow Manの2ndアルバム『Snow Labo. S2』が、10月4日発表の最新「オリコン週間アルバムランキング」にて先週に続き2週連続1位を獲得。累積92.7万枚とミリオン(100万枚)に迫る勢いで売上枚数を伸ばしている(※1)。

 『D.D. / Imitation Rain』(Snow Man vs SixTONES)、『KISSIN' MY LIPS/Stories』、『Grandeur』といったシングル3作に加え、1stアルバム『Snow Mania S1』も先日ミリオンを突破。大ヒットを記録した1stアルバムの後に新たなアルバムを作ること。それは作品を生み出す人々にとってもっとも越えることが困難なハードルの一つだ。さらにJ-POPシーンで活躍する者においては「タイアップ曲を含めたアルバム制作」というなかなか避けて通れない条件も加わってくる。そこで彼ら(と彼らを支えるチーム)が選んだのが、2ndアルバムを“アイドルだからこそ実現できる幅広い音楽性に挑戦する機会にする”ということだったのだろう。

 バラエティに富んだ音楽ジャンルや、新しいことにトライしていく研究所(=ラボ)をテーマに制作された本作では、9人のメンバーが一人一ジャンルを担当した。それぞれが候補曲の中から楽曲を絞ってメンバーにプレゼンしたり、ディテールをオーダーするなどしながら制作されたことが各インタビュー等で明かされている。たしかに様々なジャンルの曲が集められた作品ではあるが、ジャンル担当の存在によって生まれたのは各曲のフィット感。既製品の服を自分たちのサイズに合わせて調整したり、自分たちらしい着こなしを加えるのと似たような感覚かもしれない。

 また、各曲がSnow Manとして、ジャニーズアイドルとしての歩みから大きく逸脱した作風でないことも、先のフィット感にも通ずる全体の不思議な調和を生み出している要因ではないだろうか。グローバルなトレンドへの目配せが感じられる「JUICY」(宮舘涼太)、「Tic Tac Toe」(ラウール)、「Toxic Girl」(阿部亮平)、ジャニーズの先達らも取り組んできたAOR歌謡的なムード漂う「ミッドナイト・トレンディ」 (岩本照)、ライブ映えとミディアムバラードの2方向から王道ジャニーズポップスに挑んだかのような「BOOM BOOM LIGHT」(向井康二)、「This is LOVE」(渡辺翔太)、これまでSnow Manが見せてきた世界観との接点が見える「キッタキッテナイ」(佐久間大介)、「Movin' up」(深澤辰哉)、数々のタイアップソングを経て磨かれてきたバラード歌唱を聴かせる「ボクとキミと」(目黒蓮)……このように見ていくと、ジャニーズアイドルがCDデビューから3年目というタイミングで迎えるべき通過儀礼だったようにも思えてくる。

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