ELLEGARDEN、なぜ心を揺さぶるロックバンドであり続ける? 移ろう時代の中でも変わらない“悩み戦う姿”
ELLEGARDENが16年ぶりの新曲「Mountain Top」を、9月9日に開催された10-FEET、BRAHMAN、マキシマム ザ ホルモンという盟友たちとの対バンライブ『BAND OF FOUR -四節棍-』で披露し、告知なしで配信リリースした。
10年間の活動休止を経て、2018年にツアー『ELLEGARDEN THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018』を開催し復活。それからは「ただいま」を告げるように全国各地のフェスやイベントに出演し、不朽の名曲を奏でてきた彼ら。しかし、新曲はずっと発表されないままだった。
そんな中で、昨年12月の『Reunion TOUR 2021 ~Eat music in the same LIVE HOUSE~』において、2022年の2月からアルバム制作に入ることを宣言。その報に歓喜しながらも、彼らが誰よりも自分たちに厳しいことを知っているファンは「気長に待っていよう」という心持ちでいたと思う。だからこそ、突如「Mountain Top」が発表されたことは驚きだったが、実際に聴いてみて、この楽曲は彼ら自身のハードルも、往年のファンのハードルも、活動休止以降に知ったファンのハードルも、この曲で彼らを知るリスナーのハードルも越えるものだと確信できた。
しかし逆に言うと、なぜ復活後も、さらに言えば活動休止中も、彼らは新曲を発表せずとも、私たちの心をつかみ続けたのだろうか。
活動休止以前に生み出していた楽曲が、前述のように不朽の名曲ばかりだったから。
もはや伝説と化したと思われたぐらい、唯一無二の存在だから。
これら2つで語り尽くせるといえば、その通りなのだけれど、もう少し深堀りしていくといろんなことが見えてくる。
まず、これまでの彼らの楽曲を振り返って、さらに「Mountain Top」を聴いて改めて思うのは、日本屈指のロックバンドとして名を馳せながら、こんなにも戦い続けている、そしてこんなにも悩み続けている人たちは他にいるだろうか、ということだ。主観もあると思うけれど、1990年代~2000年代は規模の大小に関わらず、戦い、悩んでいるロックバンドがたくさんいた。むしろロックバンドといえば戦い、悩んでいるものという印象も少なからずあったと思う。そこに同じような境遇の人たちは共鳴し、それぞれにとって“ロックバンド”という存在が特別なものになっていった。なかでも、そんな自分たち自身をエモやポップパンクといった、その時の自分たち自身がグッとくる音像に素直に落とし込んで、ライブハウスでまぶしいほどに爆発させていたのがELLEGARDENだった。
また、当時の音楽シーンにおいて、多くのロックバンドがオルタナティブな存在だったという状況も、そこには関わっていると思う。フェスも黎明期で、特に当時のELLEGARDENなどインディーズのロックバンドのメインフィールドはライブハウスであり、そこにこだわりを持っている人たちもたくさんいた。地下の薄暗いライブハウスは、ちょっと怖くて、だけど教室や世間に居心地の悪さを感じていた筆者にとっては、大切な居場所だった。