SARUKANI、Rofu主催『BEAT X FES 2022 IN JAPAN』大阪レポ ビートボックス愛が叶えた前代未聞のフェス

 満を持して登場したのが大トリのSARUKANI。SO-SO、RUSY、KAJI、Koheyの4人からなる彼らの武器は、高度なテクニックを持ちながらも絶妙なバランス感覚とポップセンスで誰もが親しみのあるパフォーマンスを披露できるところだろう。1曲目「SARUKANI WARS」から手拍子を煽り、一気にギアを上げた。ユーモア溢れる新曲「RICEBALL ROLLING」を挟んだ後、YouTubeでも人気の企画『BEATBOX GAME』を2対2で実施し観客を楽しませる。その後は「1!2!3!4!」「SIREN FIGHT」とキラーチューンを続けて披露し、大いに盛り上がっていた。

 そしてラストは、出演者全員をステージに呼び記念撮影。和やかな雰囲気の中でライブが終了した。

 このライブを通してつくづく感じたのは、身体表現であるからこそ生まれる高揚があるということだ。大トリのSARUKANIは絶え間なく音を鳴らしながら、合間に客席を煽り、動き回り、視覚的なアプローチも絶やさなかった。そんな彼らのライブを観ていると、会場を埋め尽くす音と振動の一つ一つが、それぞれ“個”の身体から発されていることを強く意識させられる。そこには個々人のルーツや個性が確実に表れるし、そこから見出される感動もあるだろう。それがビートボクサーの魅力の一つ、と言えるのではないだろうか。

 当日のRofu・FugaのMCによると、イベントの構想は昨年10月の世界大会の際に生まれたという。「前代未聞のフェス。こんなに多くの皆さんがビートボックスだけを観に来ている、こんなイベントは世界でも見たことがない! ビートボックスを愛する皆さん一人ひとりの気持ちのお陰です」とFugaは語っていた。

(写真=Leo_Kosaka)
(写真=Leo_Kosaka)

 名実ともに世界最高峰レベルの顔ぶれであった『BEAT X FES 2022 IN JAPAN』。人体から鳴らした音を緻密に組み合わせて音楽を紡ぎ出す、というヒューマンビートボックスの多彩な魅力と、その拡張性が明確に実感できた一夜だった。

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