NGT48の“未完成の未来”はそこにあるーーグループの今を目の当たりにした1stライブツアー東京夜公演

NGT48、1stライブツアー東京夜公演レポ

 結成8年目を迎えるNGT48。グループを結成時から支えてきた1期生が卒業を迎える一方で、昨年リリースの6thシングル『Awesome』、7thシングル『ポンコツな君が好きだ』の2作では小越春花が新センターに。3代目キャプテンに藤崎未夢が指名されるなど、ドラフト3期生や2期生から新たなエースが台頭してきている。1stアルバム『未完成の未来』リード曲の「しそうでしないキス」は、中井りかと小越のダブルセンター。グループのこれまでとこれからを象徴した、今のNGT48を表す楽曲である。

 筆者は1stライブツアーの2カ所目、8月19日にLINE CUBE SHIBUYAで開催された東京での夜公演を観た。セットリストはグループにとってのベストアルバムとも呼べる本作の収録曲を満遍なく披露していく内容。「ポンコツな君が好きだ」を皮切りに、「世界はどこまで青空なのか?」「青春時計」「しそうでしないキス」といったシングル曲/アルバムリード曲を畳み掛けていくライブ序盤、「新潟の四季」をテーマにした「春はどこから来るのか?」「シャーベットピンク」「君はどこにいる?」「Maxとき315号」の春夏秋冬を表す4曲、「Awesome」「世界の人へ」「みどりと森の運動公園」といったシングル曲やグループの代表曲を披露していく本編ラストと、全編に渡ってファンを飽きさせない構成は見事である。かつて荻野由佳がセンターを務めていた「世界はどこまで青空なのか?」では小越が、「世界の人へ」では藤崎がそのポジションを継承していたことは、グループの今を目の当たりにしていると強く感じさせた。

 グループの今という視点では、『未完成の未来』の新録曲が連続でパフォーマンスされた中盤ブロックもそれに当てはまるだろう。中井がプロデュースするグループ内ユニット・CloudyCloudy。メンバーは中井を含め、小熊倫実、對馬優菜子、小越の4人で、楽曲やMVの世界観だけでなく衣装、メイクに至るまでを彼女が全て監修している。今回の「片想いのままじゃ終われない」もまた前作「はっきり言って欲しい」に続き、ガーリーでポップでキュートなイメージが強く打ち出されている。

 CloudyCloudyの色鮮やかなパフォーマンスから一変して、ステージに登場したのは本間日陽。「春はどこから来るのか?」でのシングルセンターだけでなく、ソロコンサートの開催や写真集の発売、グループを飛び出しての舞台『サザエさん』への出演など、彼女もグループを代表とする一人であり、ソロ曲「好きなんて…」はその活躍とさらなる期待への表れである。まず、本間は声が抜群に良い。この日もアンコールで披露された「ナニカガイル」の囁きはそのことを証明する楽曲の一つだが、透明感溢れるボーカルで滔々と歌い切る4分弱。派手な演出に頼ることなく、その歌声が真ん中にあるステージは本間にしか作り出すことのできない空間だ。

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