KEI_HAYASHI、日常のジレンマ×ソウルミュージックで伝えるメッセージ 障害を抱えるからこそ見える世界

ゆくゆくは失明する可能性もある

ーー今回の3曲をはじめ、それ以外の楽曲でもKEIさんは多彩なコーラスワークを聴かせています。自己分析すると、自分のコーラスにはどんな傾向があると思いますか?

KEI:ゴスペルが好きだったこともあって、ゴスペルのようなラインの作り方っていうのはひとつあります。あとは、こんなコーラスをやってみたいんだよねというトライも大事にしています。たとえば3度で平行してきれいにハモりましょうみたいなことよりも、和音で言うと9th、11th、13thとか。そんなの積んだんだ!?って自分の中で思いたいところがありますね。コーラスを考えている時間は楽しいし、コーラスが良いと言ってもらえたり、自分のセールスポイントになればいいなと思っています。

ーーコーラス以外にも楽曲を構成する要素はたくさんあります。曲を作る際に特に重視しているポイントはどこですか?

KEI:みなさんそうだと思いますが、メロディはすごくこだわりたいと思っています。だから、逆に大事にしない。ある作曲家さんに教わった言葉なんですけど、「自分のメロディは粗末に扱え」って。自分が作ったメロディに固執してしまって、それ以上にメロディを変えようとか直そうとかしたがらない人の方が多いから、自分が思いついたメロディなんてクソだと思って何回でも書き直せっていう意図なんです。それは昔から心がけていることなので、メロディが1つ浮かんでも、このアウフタクトは要らないんじゃないかな? とか、ここの8分音符の食いは全体の流れを止めないかな? とか、音符で解釈をしながらメロディを組み立てていくことが多いです。

ーー理詰めでメロディを構築していくと。

KEI:そういうところがありますね。

ーーところで、KEIさんは目の病気を抱えているそうですね。

KEI:そうなんです。網膜色素変性症という病名なんですけど、視野が狭くなったり、飛蚊症と言われる目の前に黒点がたくさんできる症状が出たり、あと一番大きいのは夜盲症です。いわゆる鳥目。暗いところが見えない症状です。この病気は進行性でゆくゆくは失明する可能性もある。僕の場合は進行が止まっているので、まだわからないですけど、40代くらいでの失明率が高い病気だと言われています。

ーーどちらの目ですか?

KEI:両方です。僕の場合、視野はそこまで狭くないので、日頃の生活では暗いところがとにかく見えないっていう感じです。

ーー夜道が危険ということですね。

KEI:そうです。

ーーそうすると、お客さんとしてライブハウスに行くことはあまりできないんですか? それともステージは照明があるから大丈夫なんですか?

KEI:相当行きづらいです。ライブハウスだけじゃなくて、映画館とか、暗い照明の飲食店もそうです。映画も暗いシーンがあったりするから見づらかったりするし、単純に途中でトイレに行きたくなったらどうしようとか。そっちが先に立って足が遠のくんです。ライブハウスもひとりで行くときは絶対に何も飲まないとか、ライブ前に明るいところで必ず用を足してから行くとか。

ーーということは、ライブというものに憧れがあるんですか? それとも抵抗があるんですか?

KEI:どっちもありますね。

ーーそこもジレンマ=板挟みなんですね。

KEI:あはは。本当にそうです。抵抗が憧れに変わる、希望に変わる感覚っていうのは身をもって感じます。だから初めて観たライブやコンサートはすごく覚えているんです。花火大会も憧れがあって、「自分はどうせ行けないんだろうな」と思っていたけれど、初めて彼女ができて観た花火は今でもはっきり覚えてる。そういう一つひとつが胸に刻まれているし、抵抗と憧れは表裏一体な気がします。

渋谷WWWでのワンマンを実現したい

ーー現在、ライブハウスで演奏するとき、お客さんの顔は見えるんですか?

KEI:暗い場所だと見えないです。ステージの上は照明を浴びれば見えるし、楽器の前に座れば安心するんですけど、ステージまでの動線の方が緊張します。

ーーそのぶん、ライブに対するこだわりや思い入れが人一倍強いのでは?

KEI:ライブ自体はすごく楽しいです。演奏も好きだし、音楽も好きだし、歌うことも好きなんですけど、上京後に一度、作曲家として作家事務所に所属して裏方をやっていたことがあるんです。そこにはやはり、ステージに立つのは厳しいなとか、周りに迷惑をかけちゃうのが嫌だなという思いがあった。そういう意味では、今ステージの上で歌えていることだけで喜びですね。

ーーKEIさんにとってライブとは、どういうものですか?

KEI:まずは自分自身が楽しめる場所です。あと、僕の場合はライブハウスや映画館や飲食店だけど、誰しも生きてると自然と億劫になっていることはあるんじゃないかと思うんです。そういう人たちが僕のライブを見て、「挑戦してみようかな」とか「やれるんじゃないかな」と思ってくれるものにしたいなと思っています。僕は他のライブを観に行くと明日への活力をもらえるんです。背中を押してくれる。だから、僕も自分の音楽やライブで見てくださった方の背中を押せたらいいな、そうなって欲しいなと思っています。

ーー今後、どのような場所でライブをやってみたいですか?

KEI:1つ選ぶのは難しいですね。アリーナ会場で何万人の前でうわーっと歌えたら絶対気持ちいいだろうし、ブルーノートとかああいうラウンジ系でもやってみたいし、野外フェスでもやってみたいし、ストリートピアノに座って歌い出したら人が集まってきた図も想像すると興奮するし(笑)。いろいろありますけど、1つ目標はあります。それは渋谷WWWでのワンマン。来年には実現できるよう頑張っていきます!

■リリース情報
KEI_HAYASHI(ケイ・ハヤシ)
3カ月連続デジタルリリース

第1弾シングル「What If」
配信URL:https://linkco.re/EvRM52nY

第2弾シングル「Stay Gold」
配信URL: https://orcd.co/staygold

第3弾シングル「昨日より今日を好きになった」
配信URL:https://orcd.co/kinouyori

■イベント情報
LIVE STUDIO LODGE Anniversary event『sway to the music』
日程:2022年9月30日(金)
時間:OPEN 18:00 / START 18:30
会場:LIVE STUDIO LODGE
チケット予約URL:︎https://tiget.net/events/199852
LIVE ACTS:Foi / UEBO / 武田舞彩 / K E I_H A Y A S H I
会場オフィシャルサイト:https://live-lodge.jp/index.html

『FM802 MINAMI WHEEL 2022』
開催日:2022年10月8日(土)、9日(日)、10日(月)
会場:大阪南ミナミエリア一帯ライブハウス(約20会場)
開場/開演:
10月8日(土)14:00 START予定(21:30頃終了予定)
10月9日(日)、10日(月・祝)13:30 START予定(21:00頃終了予定)
イベント概要・各種チケット情報:https://minamiwheel.jp/
※KEI_HAYASHIの出演日時に関しては後日発表となりますので、HPやSNSで詳細ご確認ください。

■関連リンク
OfficialWebsite: https://www.keihayashi.com/
YouTube Channel: https://www.youtube.com/c/KEIHAYASHI_OFFICIAL
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