関ジャニ∞からAぇ! groupまで、ロックサウンドを武器に猛進するジャニーズグループ　新たなリスナーからの支持も

　常に新しいアプローチで皆を楽しませてくれるジャニーズグループだが、ロックなサウンドを全面に押し出した楽曲で、ファンはもちろん、普段はバンドを聴くロックリスナーたちからも注目を集め話題となっている。本稿ではジャニーズ楽曲の中でロックサウンドが印象的な楽曲をピックアップしてみたい。

関ジャニ∞が「喝采」に込めた生き様

　7月16日・17日に神奈川・日産スタジアム、23日・24日には大阪・ヤンマースタジアム長居でデビュー18年を記念したライブ『18祭』を開催中の関ジャニ∞。ライブに先駆け、7月6日にリリースされたニューシングルの表題曲「喝采」は、5人体制初のシングル曲「友よ」、エイター（関ジャニ∞のファンの総称）と共に作りあげた「Re:LIVE」、グループとして新たな挑戦ともなった「キミトミタイセカイ」、久しぶりに振付けのある楽曲となった「ひとりにしないよ」と、常に歩みを止めない彼らが今回バンドスタイルで挑んだロックナンバー。キーとなるのは“青春”。等身大の関ジャニ∞による“いくつになっても青春は続いていく”という思いがこもった疾走感のあるストレートなバンド曲である。〈なりたい自分に注げよ　愛を〉〈フレディみたいにずっと叫んでいたいの〉〈推すな推すなは　推してくれの合図〉など、年齢は関係なくいつも前向きに青春していたい、という人に向けて勇気や力を届ける、“響く”楽曲となっている。またシングル曲としては初めて横山裕がギターを担当。ジャニーズ初のトランペッターでもある横山のギタープレイにも注目だ。

　彼らの音楽が広くバンドリスナーに支持されるきっかけの一つとなったのが、2017年の野外フェス『METROCK』である。当初ラインナップが発表された際には「ジャニーズがロックフェス？」など懸念する声も挙がっていたが、それらは全て杞憂に終わった。ライブ終了後のSNSには「ジャニーズの概念が覆された」といった賞賛のコメントが数多く寄せられ、新たなファン層を獲得した。

　困難や苦難に直面しても、常にエイターに寄り添い、共に歩んできた関ジャニ∞の5人が奏でるサウンドは聴く人の心を打つ。アイドルでありながら、飾らない等身大の姿を見せていくことによって、彼らはさらに多くの人の共感を得ているのではないだろうか。

　そして8月13日、『METROCK』以来5年ぶりの野外フェスとなる『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』のステージに立つ彼ら。幾多の困難を乗り越え、大人のロックを奏でる最強で最高の5人の勇姿を楽しみにしたい。

「証拠」で熱いボーカルグループに成長したジャニーズWEST

　関ジャニ∞と同じ関西出身のジャニーズWESTの楽曲にも注目するバンドリスナーが増えている。デビュー後、数年は関西カラーを前面に打ち出したキャッチーな楽曲が多かったが、2020年にリリースされたシングル曲「証拠」では力強いボーカルを疾走感のあるバンドサウンドに乗せ、新たな方向性を見いだした。また。15枚目のシングルとしてリリースした、山口隆（サンボマスター）が書き下ろした「週刊うまくいく曜日」では、底抜けに明るい前向きな応援歌を届けてくれた。そしてボーカルグループとしての存在感を多くの人に知らしめたのが、あいみょん提供の「サムシング・ニュー」と、ライブで熱量を持って披露される柳沢亮太（SUPER BEAVER）が手掛けた「僕らの理由」ではないだろうか。さらに「進むしかねぇ」も7人それぞれの個性溢れる力強いボーカルが魅力的なロックナンバーである。

　ジャニーズWESTがボーカルグループとして注目されている背景には、全員の高い歌唱力に加え、重岡大毅をはじめ神山智洋、濵田崇裕、小瀧望、桐山照史など楽器演奏もできるメンバーを有していることも要因の一つだ。初出演を果たした今年の『METROCK』でも披露された「ムーンライト」は、重岡が作詞作曲を手がけた秀逸なロックナンバーである。関ジャニ∞と同じく、フェス出演などをきっかけに男性ファンも急増しており、ジャニーズ内において新たな地位を確立している。彼らの持ち味は楽曲に乗せた失敗したっていい、前に進んでいこうというメッセージが聴く人の魂に届くところだ。7人の気持ちが凝縮し、パフォーマンスによって届けられる歌詞は聴く人の心を揺さぶっている。