BTS、それぞれが成熟するために歩み出したソロ活動への道のり J-HOPEやJUNG KOOKには早くも動きが
BTS、新たなチャプターへ――。6月14日にYouTubeチャンネル『BANGTANTV』で「真・防弾(バンタン)会食」の動画をアップしたBTS。そこで語られたのは「長く続けたい」「もっと強いBTSになるために」と、今後メンバーがソロ活動を精力的に行なっていくという内容だった。人気絶頂期での大きな決断に、当然のことながら驚きの声が上がった。だが、その勇気ある一歩こそがBTSらしさのようにも感じた。
そのままでもうまくやっていくことはできたかもしれない。だが、何かが壊れるまで走り続けることよりも、一度立ち止まることも視野に入れて考えながら進むこと。“SDGs(持続可能な開発目標)”という言葉が頻繁に囁かれる昨今、それはアーティストたちの活躍にも通じるものがあるかもしれない。次から次へと瞬間的に消費していく時代から、将来的にも豊かに過ごすためにペースを考えて選択していくという時代に。そんな新しい風向きがBTSの決断にも通じているように思えた。
デビュー以降、BTSの表現の主軸は彼ら自身の物語だった。RMは動画内で、2020年2月にリリースされた「ON」(アルバム『MAP OF THE SOUL : 7』)までが、BTSにとって“チャプター1”の一区切りだったと明かす。しかし、その計画はパンデミックの影響で変更せざるをえなくなってしまう。ワールドツアーもキャンセルされ、思うようにライブ活動ができず、辛い時期を過ごしたとも。
そんな混乱のなかで「Dynamite」「Butter」「Life Goes On」と世界的ヒットソングに恵まれ、さらに彼らを取り巻く環境は激変。RMは「キャリアの最高点にいるタイミングで、世界で何かをしたい……でもその何かを考える時間がない」と語り、RMと共に多くの楽曲をプロデュースしてきたSUGAも「一番難しかったのは歌詞を書くこと。言うことが何もない」と続けた。
自分たちのストーリーだったはずの音楽が、その手を離れていく……そんな感覚を抱きながらも、今の彼らなら走り続けることができたはず。だが、方向性がわからないまま突き進んだ先に、どんな未来があるのか。「将来何をしますか?」と自分自身に問い、「私達がやりたいことをやって生きましょう」「この変化は非常に重要なステップ」と今回の決断に至ったのだ。
しかし、これまでも大きな変化にぶつかりながら、スターダムを駆け上がっていった彼らのこと。このソロ活動へのシフトも、きっと将来的にBTSという大きな物語を彩る必要不可欠な分岐となるに違いない。実際、すでに発表されている彼らのソロ活動は非常にワクワクとさせられるものばかりだ。