乃木坂46 山崎怜奈、約9年半の在籍期間で成し得た偉業 グループの常識を覆してきた唯一無二のキャリア

 乃木坂46の山崎怜奈がグループからの卒業を発表した。

 その発表の場は、自身がパーソナリティーを務める生放送のラジオ番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM/以下、『ダレハナ』)にて。冷静を装いながらも、その声は震えていた。

 乃木坂46の2期生として2013年に15歳で加入した山崎は、先月25歳となり在籍期間は約9年半となった。高校、大学と7年間の学業との両立をしながら、山崎が乃木坂46として情熱と愛情を注いできたのがライブだった。現在の在籍メンバーの中では2番目に多くステージへ立ってきたという山崎。かつてアンダーとしてガラガラのライブ会場を経験していた彼女も、今年5月には日産スタジアムという日本の会場としては最大規模での景色を目の当たりにした。山崎の卒業は7月17日。つまりは先月行われた日産スタジアムが山崎にとってラストライブとなる。卒業時期については表からは見えない様々な事情や兼ね合いもあるのだろうが、ラジオで話していた「ライブというみんなで作る場を純粋に楽しく観てほしくて、そこになるべく干渉しないタイミングにしました」という理由は、誰よりもライブという場を大切にしてきた彼女らしい最後の“わがまま”だ。

 山崎は約9年半の在籍期間で、乃木坂46の選抜メンバーに一度も選ばれることはなかった。しかし、アンダーという立場にいながらも光を掴めることを体現した特異なメンバーでもある。2020年10月よりスタートした『ダレハナ』は、毎週月曜から木曜の13時から放送されている約2時間の冠ラジオ番組。乃木坂46では、ほかにも多くのメンバーがラジオにレギュラー出演をしているが、生放送の帯番組を担当するのはグループで山崎が初めてだ。小学生の頃からラジオを聴くことがライフワークと化している彼女の、リスナーとしてのラジオ愛が時に滲みながらも、FMラジオとしての姿勢は決して崩さない。今振り返れば、昨年5月に横浜アリーナで開催された『アンダーライブ2021』は、山崎が座長を務め「ラジオ」という大きなテーマを軸とした彼女にとっての大きな節目のステージだった。

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