ジャニーズWESTメンバー分析 第7回:藤井流星、歌に演技と躍進遂げる ライブ演出への熱い姿勢も
新番組『DEEPな店の常連さんに密着 イキスギさんについてった』(TBS系)が初回から大きな反響を呼んでいるジャニーズWEST。初のドームツアーも控え、勢いを増す7人の魅力に迫る。最終回は藤井流星。
魅せ方を心得たダンスとハスキーボイスを生かした歌
ギリシャ神話の彫刻を思わせるルックスからは想像できない“超天然”が混在する人物が、藤井流星だ。同じく身長180㎝を超えるメンバーの小瀧望と藤井のコンビはファンから「ツインタワー」と呼ばれている。
ダンスパフォーマンスにおいて個性溢れるメンバーが多いジャニーズWESTだが、藤井のダンスは振り付けに忠実であるイメージだ。膝から下が長く、スタイルのよさを生かした柔らかでスピード感のあるステップや、魅せ方を心得たキメポーズでのカメラアピールなど、一切の隙がない。また難しいステップやハードな振り付けでも決して表情に出すことなくクールにこなしているのは、藤井の美意識ゆえであろう。
筆者がここ数年で最も注目しているのが、藤井のボーカリストとしての成長ぶりである。セクシーなハスキーボイスを最大限に生かした安定した音程とリズム感の良さ、聴き取りやすい発声に変化してきているように思う。アルバム『rainboW』に収録されているソロ曲「FLOWER OF ROMANCE」ではセクシーなダンスと難しいラップに挑戦しているが、楽曲のイメージを見事に体現している。雑誌のインタビューでも「音楽を本気で好きになったのはここ2、3年。ライブや自分たちの楽曲がグレードアップしていくことでより好きになった」と告白しており(※1)、後述のライブ演出家としての活動を通じ、違った角度から音楽に向き合う経験を積んだことも、ボーカリストとして大きな成長に繋がっているように思う。
初のヴィラン役で見せた可能性
グループ活動に加え、俳優としての活動もめざましい。演技面でのステップアップを感じたのは、『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』である。藤井は、シリーズ史上最凶の刺客・視鬼神真玄役に挑戦。彼にとって初のヴィラン役であったが、徹底的に振り切った演技を見せ、原作ファンからも好評であった。
ドラマでは、『アゲイン!!』(TBS系)で連続ドラマ初主演を果たしたほか、『レンタル救世主』(日本テレビ系)、『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜』(フジテレビ系)など次々とキャスティングされ、研鑽を積んだ。加えて藤井の名前を一気に全国区へと押し上げたのが先輩・相葉雅紀主演『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)への出演だろう。共演をきっかけにプライベートでも相葉と交流を深めているが、なぜか相葉の連絡先を「天使ちゃん」と登録しているエピソードも明かしている。
2022年には小瀧主演ドラマ『鹿楓堂よついろ日和』(テレビ朝日系)で小瀧の双子の兄・東極八京役を好演し、『DCU〜手錠を持ったダイバー〜』(TBS系)にもゲスト出演するなど話題は尽きない。俳優としての藤井には、「臨機応変」という言葉がピタリと当てはまる。与えられた役柄をいったん俯瞰で分析し、最も作品に相応しいテンションで演じきる。徹底したヒール役から穏やかな青年まで、どのような役も演じられる振り幅の大きさが武器だ。
舞台では、黒柳徹子らと共演した朗読劇『ハロルドとモード』に挑戦。藤井が演じたのは、黒柳演じるモードに恋する19歳のやんちゃな少年・ハロルド。事務所の先輩である生田斗真が演じたこともある難しい役柄で、藤井もプレッシャーの中、朗読と芝居という複雑な舞台を体当たりで演じきった。後日、ジャニーズWESTのライブのMC中に、同公演は台本を手に舞台に上がる朗読劇であったのに、出番の直前で台本を忘れたことに気がつき、慌ててスタッフの台本を借りて舞台に上がったという実に藤井らしいエピソードを披露し、メンバーが爆笑する場面もあった。