SEVENTEEN、2年半ぶりの来日公演に感無量 離れ離れの時間を乗り越えたCARATとの強い絆

声は聞こえなくても心はつながった大切な時間

 今回のファンミーティングは、MCに古家正亨を迎えて進行していった。毎回ファンミーティングではMCを担当してきた古家氏だが、直接会うことは2年半ぶりのことだという。そんなブランクを感じさせないほどの息のあったやりとりを見せてくれた。

 ファンミーティングということで、メンバーの個性が垣間見える「究極の2択」による「SVTバランスゲーム」や、2チームに分かれて輪投げやヨーヨー釣り、射的などのお祭りに関連する遊びをクリアしていくゲームなど、CARATと一緒に盛り上がれる企画が盛り沢山に用意された。特にゲームではSEVENTEENならではのバラエティセンスを発揮し、それぞれの色でCARATを思いっきり楽しませてくれた。

 もちろん、ゲームやトーク以外にも、パフォーマンスステージを用意。「生で見せられなかった曲をたくさん見せたい」ということで選曲された全11曲は、SEVENTEENの13人による息のあった「カル群舞」が垣間見れるパワフルなダンス曲から、しっとりエモーショナルな歌を聴かせてくれるバラード曲まで、多種多様な楽曲が披露された。どの曲もCARATたちの反応を楽しみながら、全力でステージを走り回る姿は、本当に今までのようにステージでリアルな空気を楽しめる時間が戻ってきたことを感じさせた。それはSEVENTEENのメンバーも同じ気持ちだっただろう。

 初の英語曲である最新曲「Darl+ing」で本編が終わり、CARATたちの大きな手拍子でのアンコールが会場内を響き渡る中、ステージには横1列に並ぶSEVENTEENのメンバーたち。ゆっくりCARATを愛おしそうに見回しながら歌い出したのは、昨年末にリリースされた日本のシングル「あいのちから」だ。今回ステージでCARATの前で初披露された「あいのちから」を作ったWOOZIは「きっと僕たちもCARAT(SEVENTEENのファンのこと)も同じ気持ちだと思ったから、その気持ちを共有したくて作った」という。DKは「この曲を歌いたい気持ちが強かった」と語り、JUNは曲のタイトルに合わせて「愛の力でお互い強くなっていきましょう」と、「あいのちから」に込めた思いを語った。

 アンコールではメンバー1人ずつCARATたちへの思いを日本語で用意していた。HOSHIは「今までいろんなことがあったと思いますが、ここまで耐えてくれてありがとうございます」と待ち続けたCARATへ感謝の言葉を延べ、リーダーのS.COUPSは「お互いに幸せだけを分け与える間になりましょう」とSEVENTEENとCARATとの強い絆について話した。JEONGHANは最初から最後まで流暢な日本語で話し、「もっと大きな会場で会いましょう」と伝えると、客席からは一際大きな拍手が起きた。そして「CARATは僕にとっての充電器ですから」というと、キュートな姿を見せてくれた。それぞれのメンバーたちが、用意した日本語で一つ一つの言葉を噛み締めながら、2年半待ち続けてくれたCARATたちへの愛を伝えてくれた。

 「ひとりじゃない」がスタートすると、少しでもCARATの近くに行きたいという思いから、8台のトロッコが登場。アリーナの外周をCARATを見回したり、手を振ったりしながら周り、一番遠い最後尾で止まってトロッコの上でパフォーマンスしたりなど、サービス満点だ。

 最後はメインステージの端から端まで、花道やセンターステージを走り回り、最後の曲かと思えば、またステージに戻ってくるなど、まだまだCARATとの楽しい時間をたくさん満喫したいという思いが伝わってきた。最後は、CARATとの別れを名残惜しそうにしながらも「CALL CALL CALL!」の曲に合わせてメインステージのスクリーンの裏に消えて行った。

 約2年半ぶりとなったSEVENTEENのファンミーティング。本来は2年前に初のドーム公演が予定されていたが、新型コロナのパンデミックのために中止になってしまった。メンバーもCARATも心待ちにしていた初ドーム公演が中止になり、そこから長い時間が経った。メンバーたちがイベント中にしきりに伝えていたが「本当に会いたかった」「ずっと待っていてくれてありがとう」というのが本当にCARATたちへ伝えたい気持ちだったのだろう。やっと叶った再会の時間。SEVENTEENのメンバーたちには「お帰りなさい」と伝えたい。そして、季節が変わる頃には、JEONGHANがいうようにさらに大きな会場で会える日が来るのだろう。その日を心待ちにしたい。

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