AKB48がこれから向かう先とは? 本田仁美らが躍動する「元カレです」MVを徹底考察
そして、ミュージックビデオとともに公開されたのが、ダンスバージョンである。こちらは撮影のカメラを引き気味に配置して、メンバーの振付の全景が鑑賞できるようになっている。激しくて細かい動きがじっくり観られるとあって、今後SNSを中心としたコピーダンスでの盛り上がりも考えられる。
今回振付は、BTS「Butter」(2021年)の振付制作にも携わったダンスアーティストグループ、GANMIが手がけており、「世界がガン見する“GANMIダンス”」と名付けられた。3月末に『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)春の4時間スペシャルで初披露された際も、緩む間が一切ないダンスの一端を観ることができたが、今回のダンスバージョンで改めてそのハードさに驚いてしまった。
ダンスバージョンの方も見事な照明演出だが、注目してほしいポイントは後半だ。その光の演出がなくなり周囲が一旦真っ暗になるなか、メンバーがシルバーホワイトの衣装を躍動させながら踊る場面である。その空間性も相まってか、まるで舞台芸術を目にしている感覚に陥るのだ。
ぴったりと動きを合わせた集団ダンスも見ごたえ十分だ。現在のAKB48が、カジュアルさや自由性ではなく、組織性で勝負をしようとしていることがはっきり分かる。ただ、メンバーそれぞれの個性が打ち消されているかというと、決してそうではない。各自がどのようにこのタフなダンスを踊っているのか、どんな表情をしているのか。そこにグッとひきつけられ、何度も見直したくなる。中毒性を持った映像となっている。
AKB48というグループのこれからの行き先を映像であらわしたような、「元カレです」のミュージックビデオ。同曲がライブなどでどのようにアップデートされていくのか楽しみである。
※1:https://realsound.jp/2022/04/post-1012438.html