Anitta、TikTokでのバイラル経て「Envolver」が大ヒット ブラジルのアーティストとして初の快挙に
参照:https://charts.spotify.com/charts/view/regional-global-weekly/latest
Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第26回となる今回は、2022年3月18日〜2022年3月24日集計のチャートを見つつ、楽曲「Envolver」が大ヒットしているブラジルのシンガーソングライター、Anitta(アニッタ)を紹介したい。
アニッタ「Envolver」がTikTokでのバイラルにより3位にランクアップ
長らく大きな変化がなかったトップ10。1位と2位は先週と変わらずGlass Animalsの「Heat Waves」と、ザ・キッド・ラロイの「STAY」となった。アニッタが2021年にリリースしたスペイン語のシングル「Envolver」が、TikTokでバイラルになったことにより、25ポイントアップし3位に浮上。先週3位であったImagine Dragonsの「Enemy」が4位となった。
SNSで多くの支持を集めるアニッタのマルチな才能
ブラジル出身のトリリンガルシンガー、アニッタ。ブラジルで圧倒的な知名度を誇り、6100万人以上のInstagramフォロワーがいる彼女であるが(2022年3月末現在)、シンガーとしての活動以外にも作詞作曲、映像監督、さらにはテレビ番組の司会なども務めている。リオデジャネイロのオノーリオ・グルジェウ地区で育った彼女は、8歳のときに教会で歌い始め、11歳のときに自身のお小遣いで英会話教室に通い、英語の勉強を始めた。マライア・キャリーやビヨンセなどに影響された彼女は、YouTubeにアップした動画がインディーズレーベルのプロデューサーの目に止まったことにより、音楽活動を本格化させる(※1、※2)。
2012年にリリースした楽曲「Meiga e Abusada」は当時ブラジルのラジオで最もリクエストされた楽曲のうちの一つとなり(※3)、彼女は2013年の1月にブラジルの<ワーナーミュージック>と契約した。2013年6月には、1stアルバム『Anitta』をリリース。収録曲「Show das Poderosas」MVは、2013年にブラジルのiTunesで最も再生されたビデオとなり、アルバムも大ヒットとなる(※4)。2014年には2ndアルバム『Ritmo Perfeito』をリリースし、同年に自身のマネジメント会社を設立している。
2015年にリリースした3rdアルバム『Bang』も今まで以上のヒットを記録し、ブラジルで大スターとなったアニッタであるが、その後の彼女は国際的にも活動を開始する。2019年の4thアルバム『Kisses』は、彼女にとっての初のトリリンガルアルバムであり、ポルトガル語以外にも、スペイン語と英語で歌っている。さらに、同アルバムにはスウェイ・リーやスヌープ・ドッグなど、米国のアーティストも参加し、インターナショナルに活動の場を広げた作品であった。2016年にはリオデジャネイロで開催されたオリンピック開会式にてパフォーマンスを行った。