鉄風東京、日常にリンクする歌詞でバイラルチャート好調 起伏豊かなアンサンブルは90年代オルタナの新解釈に
「外灯とアパート」は、鉄風東京が2021年11月8日にリリースした5曲入りCD『Nokosu』に収録された1曲だ。今年になってからTikTokでじわじわと人気が広がり、ついにバイラルチャートにランクインしてきた。2月21日現在、ハッシュタグ「#外灯とアパート」は552万回視聴を突破。イントロに合わせて、個々の日常の風景を切り取った動画や写真がアップされている。この曲のイントロのアルペジオは、ワンフレーズの後に一拍の空白が入り、フレーズを繰り返していくのだが、その空白に合わせて画面を一瞬暗転したり、画像を切り替えたりする動画演出が流行しているのだ。言うなれば「外灯とアパート」も映像との相乗効果がヒットの一因ではあるが、冒頭で触れた楽曲と異なるのは、アニメなどの映像作品や原作が先にあったわけではないこと。そういう意味で「外灯とアパート」は、聴いた人が映像を重ねたくなる楽曲、映像を作りたくなってしまう楽曲と言えるだろう。リリック動画も多く、歌詞に個々の日常にリンクする要素があるのも魅力だ。
2月21日現在、Spotifyの「Weekly Buzz Tokyo」など、複数のプレイリストにも掲載されている「外灯とアパート」。この曲に限らず、鉄風東京のサウンドは、昨年TikTokから火が付いてヒットにつながったWurtsと同様、ASIAN KUNG-FU GENERATIONやNUMBER GIRLを彷彿させるものがあり、1990年代後半から2000年代前半の日本のオルタナティブロックの新解釈を、今後どのように聴かせてくれるのか。期待が募る。
※1:https://eggs.mu/music/article/29942