アイナ・ジ・エンドに渡辺淳之介が聞く、大阪城ホール公演に一人で臨む理由 BiSH解散後見据えた“孤独”への挑戦

 BiSH アイナ・ジ・エンドが3月17日、大阪城ホールでソロワンマンライブ『AiNA THE END “帰巣本能”』を開催する。ソロとして初のアリーナ公演、さらに地元での開催ということでも注目を集めている中、このライブを前に2月14日、YouTubeチャンネルにて緊急生配信“アイナ・ジ・エンドの大阪城ホール前に話したいこと”が行われた。

 今回の公演は、これまでのライブとは異なりバンドメンバーやダンサーは無し、アイナ・ジ・エンドの身一つで行われる。BiSHで数々の大きなステージに立ってきたアイナ・ジ・エンドではあるが、特別な公演となるだけにその胸中は複雑だ。リアルサウンドでは、まっすぐな言葉で自らのルーツやライブに対する想いと決意を語った、アイナ・ジ・エンドと渡辺淳之介による対談の模様をレポートする。(草野英絵)【最終ページに読者プレゼントあり】

公演タイトル“帰巣本能”に込めた思い

アイナ・ジ・エンド(以下、アイナ):こんばんは、アイナ・ジ・エンドです。今日は3月17日、アイナ・ジ・エンド最大規模のライブ“帰巣本能“の前にお話ししたいなと思うことがあって、急遽生配信しております。“大阪城ホールの前に話したいこと”。今日はスペシャルなインタビュアーさんが来てくれました。この方です!

渡辺淳之介(以下、渡辺):どうも、渡辺淳之介です。知らない人がいると思うんですが、アイナ・ジ・エンドさんのマネージャーをやらせていただいております。

アイナ:マネージャーですし、自分の事務所のWACKの社長で。渡辺さんとはもう7年……?

渡辺:7年ぐらいですね。

アイナ:なんですけど、生配信を2人でやるのは初めて。ちょっと緊張しています。インタビュアーの渡辺さんと今日は生配信をお送りしていきたいと思います。よろしくお願いします。

渡辺:お願いします。まず聞きたいんですけど、今回の公演タイトル、“帰巣本能”に込めた思いとは?

アイナ:今、BiSHとして活動拠点を東京でやってるんですけど、今回の公演は大阪城ホール。私、17年間大阪に住んでて、地元なんですね。やっぱり東京で活動してるって言っても、帰ってくる場所は大阪なのかなと思って。今回は帰巣本能、帰ってくる本能のままにライブしたいなと思って、そのタイトルにしました。

渡辺:やっぱり東京より大阪が好きなんですか?(笑)

アイナ:そんなことはないです(笑)。最近、夜行バスに乗ったんですけど、昔乗ってた時のことを思い出して……(当時は)“東京に行く”っていう感覚だったんですけど、最近乗った時は“東京に帰る”っていう感覚になってて。どっちも結局、自分の居場所ではあるんだなと思いました。

渡辺:うらやましいよね。俺、東京出身だから、ほんとに電車ですぐに帰れちゃう。やっぱり“地元”って(感覚が)何か違う。

アイナ:育ってきた環境とか、いろんな人がいろんなことを教えてくれた街っていうのが、ちょっと離れた場所になると、離れて良さに気づいたり、「ああ、愛おしかったんだな」と思ったりするので、私にとって大阪は大切だなって思います。

渡辺:帰りたくなる場所だってことだね。

アイナ:そうですね。もし歌とかダンスをやっていなかったら、自分が夢を目指していなかったらずっと大阪にいたので、それぐらい大切だし、安心はします。

渡辺:今回の特別なチケットの名称が、「ここがあなたのおうちですチケット」「ここにも帰ってきていいよチケット」で、“みんなが帰って来られる場所”みたいなコンセプトがあるように思うんですけど、“帰巣本能”っていう今回の公演への想いや背景があったりするんですか?

アイナ:コロナ禍に入って、マスクしてますしみんなの顔があけ晒しに見えてるわけじゃないからわかんないけど……しんどい状況だと思うんですよ。その状態で、みんなお仕事とか学校とか頑張っていて。そのお仕事とか学校から帰ってくる場所って、安心する場所だと思って、それが今回の大阪城ホールだといいな。みんなが安心して帰ってこれるような……そんな場所にしたいなと思っています。

渡辺:ほっとする場所とか、そういう意味合いってことですね。じゃあアイナの思うその「帰って来られる場所」「あたたかい場所」っていうのはどういうところですか?

アイナ:私もめちゃくちゃ長く生きているわけじゃないから、断言できないんですけど。嬉しいとか楽しい、悲しい、寂しいとか、日々生きていると、ジェットコースターみたいに感情が揺れ動いていくと思うんですよね。そんな中で、私にとって歌とかダンスができる場所っていうのは、自分の生きがいだなと思っていて。どんな感情もひっくるめて表現できるのが歌とダンス。どんな感情になっても、そこに帰ってくると自分の心はあたたかくなるし、だから“ステージの上”なのかなと思ってる。今回は大阪城ホール、大阪でやらせてもらえるし最大規模なので、今までで一番あたたかいステージにしたいなと思います。

 おうちの近くに帰ってきたらお母さんの作るご飯の匂いとかしてくる、あの感覚が帰ってきたなぁみたいな。それがみんなにとっては家かもしれないけど、大阪城ホールもそういう風に捉えてくれたら嬉しいなって思います。

渡辺:なるほど、肉じゃがの匂いとか素敵そうですね(笑)。

アイナ:はい(笑)。

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