Da-iCE、『REVERSi』が告げる新章の幕開け 生半可は許さない“白黒つける”グループの意志

 2021年末、記念すべき結成10周年イヤーに「CITRUS」で『第63回 輝く!日本レコード大賞』(以下『レコ大』)の大賞を受賞したDa-iCE。同曲が日本人男性ダンス&ボーカルグループとしては初の快挙となるストリーミング累計再生2億回を突破し注目を集めるなか、2月16日にはCONCEPT EP『REVERSi』をリリース。同作には2021年8月に配信リリースした「Kartell」など全9曲が収録され、“自らの意思をしっかりと持ち、白黒つけていく”というコンセプトのもと制作された。

 『REVERSi』の作品内容に触れる前に、改めて「Kartell」配信リリースから今作までの流れを振り返ってみたい。2021年8月にスタートさせた全国ツアー『Da-iCE a-i contact tour 2021』と並行して、10月にはNovelbright主催『KICK THE AGE TOUR』に出演し、初のフルバンド体制でライブを披露。そして映画『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』主題歌「Promise」を12月に配信、さらに声優の木村昴をフィーチャリングした『仮面ライダーリバイス』主題歌「liveDevil」を12月にシングルリリースしている。

 そして12月30日の『レコ大』受賞後、大晦日から元旦にかけては『第5回ももいろ歌合戦~届け!希望の彼方へ~』&自身の年末ライブ『Da-iCE Year end show 2021』&『CDTVライブ!ライブ!年越しスペシャル 2021→2022』(TBS系)のトリプルヘッダーをこなし、この両日だけでも6面以外の多くの人に彼らの存在が認知されたのではないだろうか。さらに1月5日の「Break out」を皮切りに、『REVERSi』収録曲を連続で配信。2月2日からは初の冠番組となる音楽バラエティ『Da-iCE music Lab』(日本テレビ系)もスタートさせている。

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 ちなみに『Da-iCE music Lab』初回のゲストにはJO1が登場。トークの中では、“Da-iCEは自分たちの楽曲を自分たちで作詞作曲したりプロデュースしているのが凄い”(河野純喜)というコメントもあった。今回の『REVERSi』でも9曲中7曲でメンバーが作詞・作曲に関わっているが、クリエイティブ面において、ダンス&ボーカルシーンで頭一つ抜けたグループであると言って差し支えないだろう。

 ここからは『REVERSi』の収録曲について考察したい。メンバー自身が作詞や作曲を手掛けた中でも、今作のコンセプトに直結する“意志の強さ”をわかりやすく伝えているのがリーダーでありパフォーマーの工藤大輝とボーカル兼パフォーマーの花村想太が作詞・作曲を手掛けた1曲目「DOSE」(リード曲)と、工藤が作詞・作曲したラストの「Kartell」ではないだろうか。

Da-iCE /「DOSE」 Music Video

 「DOSE」は、DOSE=“どうせ(〜だから)”といった諦めや悲観的な感情を揶揄しつつも、OverDOSE=“ヤリ過ぎる”というWミーニングを込めたタイトルとのこと。サウンド的には洗練されたファンクテイストの楽曲だが、EPのタイトル『REVERSi』=オセロゲームになぞらえつつ、白黒がはっきりしない世の中で〈I know 独自の進化論/I know 提示しよう〉〈想定、超えていく王手 checkmate〉など、挑戦的なフレーズが目立つ。こういった攻めの言葉選びも、自らが生身の言葉でリスナーと対峙しようとするからこそ説得力を持って響いてくるのだろう。s**t kingzのshojiが手掛けたフォーメーションチェンジが激しく緻密な振りを、パフォーマーの岩岡徹らを筆頭にクールな表現で魅せているのもポイントだ。

 ちなみに花村が作詞・作曲に参加した「Clap and Clap」(コーセーコスメポート『サンカット® ライトアップUV エッセンス』CM曲)では、〈モノクロじゃ足りない刺激を探してる〉〈世界を塗り替えろ〉、工藤作詞の「SWITCH」(ドラマ『ユーチューバーに娘はやらん!』主題歌)では〈作り込まれた余白のない脚本/破り捨てたら自由は目前〉、花村がNatural Lag(花村所属のバンド)のメンバーと作詞・作曲を手掛けた「Break out」(アニメ『オリエント』オープニングテーマ)では〈下克上 いざここから 駆け上がれ〉など、それぞれカラーの異なる作品のために制作された楽曲で現状を打破しようと立ち向かう姿が一貫して描かれており、EPとしてまとめられたことによってそれらが1つのストーリーのようにも感じるのだ。

Da-iCE / 「Break out」アニメPV

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