YOASOBI、藤井 風、WurtS……TV出演方法から考える、ネット経由のブレイクアーティストたちの狙い
2022年を迎えてからのアクションとしては、1月8日に放送された『バズリズム02』(日本テレビ系)でWurtSが音楽番組へ初出演を果たした。同番組の恒例企画『2022年コレがバズるぞ!BEST20』にて1位に輝いたWurtSだが、音楽関係者が注目のアーティストを選んだこの企画で出演するというのが非常に鋭い。これまでも情報番組などへの露出はあったが、音楽関係者/リスナーが毎年注目する企画にて取り上げられるタイミングで登場するのは、“WurtSの音楽が評価され浸透している”ことを明確化する狙いも感じられた。
そもそもWurtSは、現代カルチャーやマーケティングの観点から社会と音楽を分析するため、大学の個人研究の一環として始動したプロジェクトである。TikTokで大きなバズを生んだ「分かってないよ」も、映像からサウンドまで、全てそのバズを意図的に生むための工夫が凝らされている。WurtSのアクション一つひとつが研究の材料であることも考えると、どのタイミングで、どんなTVで取り上げられるのか、その結果どのような反響が想定されるかを、WurtS自身相当考えているのではないだろうか。
YOASOBI、藤井 風、WurtSに通底しているのは、1つのカルチャーやジャンルに縛られない露出によって、自らの存在をこれまで以上に広く拡散させることに成功した点だ。もちろん、その成功には優れた楽曲とファンとの関係性も欠かせない。2022年、新たにブレイクするであろうアーティストたちは一体どんな道筋を辿って注目されていくのか。もしかしたら、未だ誰も想像し得ない形で姿を現すかもしれない。