MAN WITH A MISSIONはロックを進化させ続ける 木村拓哉からmiletまで、アーティストに求められる理由

 続いて、MWAMと他のアーティストとのコラボレーションについて。今でも鮮明に記憶に残っているのが、怒涛のコラボレーション5連打が実現した『SUMMER SONIC 2019』におけるステージだ。さっそく序盤から、ゲストとしてTAKUMA(10-FEET)を迎え、コラボ曲「database feat. TAKUMA(10-FEET)」を披露。日本のロックシーンにおいて、お互い別々の道からミクスチャーロックの在り方を模索し、更新し続けてきた両者の共演は胸を熱くさせる。続いて、Zebraheadのマッティ・ルイス(Vo/Gt)&アリ・タバタビィ(Rap)と共にコラボ曲「Out of Control」へ。轟音の中を掻い潜るように、けたたましく繰り広げられるボーカルリレーは、まさに「オオカミvsシマウマ」とも言うべき壮絶なものだった。その次には、Fall Out Boyのパトリック・スタンプ(Vo/Gt)を迎え、コラボ曲「86 Missed Calls feat. Patrick Stump」を披露。このように、MWAMが次々と海外のロックバンドとコラボ楽曲を制作し、共にステージに立つことができるのは、5匹が完全世界水準を見据えながら、自分たちのサウンドを妥協なく磨き上げ続けているからこそだろう。結果として、日本のロックシーンの規格を大きく超越していった5匹は、海外のアーティストと真正面からぶつかり合いながら、その経験を血肉としてさらに自身のロックを進化させ続けている。そうしたグローバルなサイクルに身を置くことのできる日本のバンドは、極めて稀だ。また一方で、東京スカパラダイスオーケストラから、ホーンセクションの4人と加藤隆志(Gt)を迎えて披露した「Freak It! feat.東京スカパラダイスオーケストラ」は、日本のシーンで活動するロックバンドとしての「大和魂」を見事に叩きつけていて、とても痛快だったのを覚えている。

MAN WITH A MISSION 『database feat.TAKUMA(10-FEET)』
MAN WITH A MISSION - Freak It! ft. Tokyo Ska Paradise Orchestra

 あの日のアクトがどれだけ特盛りなものであったかはすでに十分に伝わったと思うが、これで終わりではない。最後のスペシャルゲストとして布袋寅泰が現れ、コラボ曲「Give It To The Universe(feat. MAN WITH A MISSION)」が披露された。生きる伝説ともいえる布袋の存在感は圧倒的であると同時に、彼と互角にわたり合う5匹の覚醒感に満ちたパフォーマンスも本当に凄まじかった。布袋から直接指名を受けるロックバンドは決して多くはなく、それはつまり、MWAMの世界水準を志向したロックが布袋に深く大きなインパクトを与えたということなのだろう。そして、その指名を堂々と引き受けるMWAMの胆力も凄い。

布袋寅泰 / HOTEI - 「Give It To The Universe (feat. MAN WITH A MISSION)」【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 最後に、アーティストとのコラボレーションではないが、昨年の夏、映画『ゴジラvsコング』の日本語版の主題歌に起用された「INTO THE DEEP」を紹介したい。まさに、「ゴジラvsコングvsオオカミ」とも言うべき超弩級のコラボで、実際に同曲が誇るスケールは壮大なものであった。日本のロックバンドで、ゴジラやコングと対等に並ぶことができる存在は、MWAMを除いて他にいないだろう。これからも5匹は、こうした破天荒なコラボに次々と挑戦してくれるはずだ。

MAN WITH A MISSION「INTO THE DEEP」

※1:https://realsound.jp/2021/10/post-873150.html
※2:https://realsound.jp/2021/10/post-886579.html

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