鈴木雅之、とびきりソウルフルなステージで魅了した『紅白』 40周年を経てますます愛される理由とは?
昨年から2年連続で4度目の『NHK紅白歌合戦』出場を果たし、「め組のひと 2021紅白ver.」を披露した鈴木雅之。近年はアニメシーンでも人気を集めており、SNS上では紅白のパフォーマンスを観た若い世代の視聴者も数多くコメントを投稿していた。2022年は「メロディー (Remix'22)」がドラマ『駐在刑事 Season3』(テレビ東京系)主題歌に起用され、2月にはカバーベストアルバム『DISCOVER JAPAN DX』のリリースも控えており、40周年を経てますます活発な活動に期待が寄せられている。
鈴木雅之は、1980年にシャネルズのリードボーカルとしてシングル「ランナウェイ」でデビューし、本格的なソウル/ドゥーワップのサウンドで一躍注目を集めた。1983年にグループ名をラッツ&スターに改名し、「め組のひと」「夢で逢えたら」などがヒット。1986年に鈴木雅之としてソロデビューして以降も、「もう涙はいらない」「恋人」「違う、そうじゃない」や、菊池桃子とのデュエット曲「渋谷で5時」などのヒット曲を量産した。近年は、アニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」「DADDY! DADDY! DO! feat. 鈴木愛理」でアニメファンにも広く浸透し、2019年には国内最大級のアニソンフェスティバル『Animelo Summer Live 2019 -STORY-』に“アニソン界の大型新人”として初出演。2020年にデビュー40周年を記念してリリースされたアルバム『ALL TIME ROCK 'N' ROLL』には、綾小路翔(氣志團)、水野良樹(いきものがかり)、大石昌良、アンジェラ・アキらが楽曲を提供した。
先日の『第72回NHK紅白歌合戦』でパフォーマンスされた「め組のひと」は、ラッツ&スター時代、1983年リリースの楽曲で、ギラギラとした夏の太陽をイメージしたノリのいいサマーソング。サビで、目の近くでピースサインをする振り付けが話題を呼び、ヒットチャートや音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)など、当時のランキングで軒並み1位を獲得した。これまで数多くのアーティストからカバーされており、2018年にはTikTokで倖田來未のカバーバージョン(アルバム『ETERNITY~Love & Songs~』収録)に合わせて踊る動画が話題となり、3年ほど経た現在も「#古参メドレー」「#古参なら分かる曲」というハッシュタグで再び注目を集めている。
鈴木も紅白の事前会見で「TikTokをはじめ、若い人にも受け入れてもらえていることが嬉しい。今年の(『紅白歌合戦』の)テーマ『カラフル』に“め”で華を添えられたら」(※1)とコメント。当日もTwitterで「国際フォーラムをライヴハウスに変えるべく、『め組のひと 2021紅白ver.』を盟友 佐藤善雄、桑野信義と共に披露します!」(※2)とツイートした。
そんな“カラフル”を体現した、赤いベルベットのタキシードに身を包んで登場した鈴木。「め組のひと 2021紅白ver.」は、シャネルズのデビュー曲「ランナウェイ」のワンフレーズで始まる特別バージョンであり、デビュー当時から苦楽を共にしてきた佐藤善雄、桑野信義と共に紅白で「ランナウェイ」の一節を歌ったことは、ファンにとっては胸が熱くなるものだったろう。また桑野は昨年、大腸がんの手術を受けており、闘病生活を乗り越えての出演は、病気に苦しむ多くの人に希望を与えたものだったに違いない。桑野のキレのあるトランペット、佐藤の低音ボイス、そして鈴木の渋くセクシーな歌声とダンディな魅力。エンターテインメント性溢れるステージで、サビでは会場全体が一つになって〈めッ!〉とポーズを決めた。渾身の〈めッ!〉を披露したゲストの坂口健太郎も、「楽しくて元気とパワーがもらえて最高です」とコメント。Twitterでは「懐かしい」や「昔よりかっこいい」など様々なコメントが寄せられた。