豆柴の大群、IxR from AKB48との対バンで見せた刺激的なステージ それぞれの個性を発揮した『豆柴48』東京公演レポ

 豆柴の大群にとって初の対バンツアー『豆柴48』が、12月17日にZepp Haneda(TOKYO)にて最終公演を迎えた。

 10月3日に開催された『豆柴の大群の疾走』の公演内にてメンバーにとってもサプライズ発表された今回の対バンツアー。「誰と!?」というど直球の疑問を口にしつつ、彼女たちがそのツアー詳細を聞いたのは、楽屋で待っていたWACKの代表取締役である渡辺淳之介からだった。

豆柴の大群 × IxR

 12月6日のZepp Osaka BaysideにはSTU48より川又あん奈、工藤理子、小島愛子、高雄さやか、田中美帆、吉崎凜子の6人が、12月7日のZepp NagoyaにはSKE48内のユニット・カミングフレーバーが、12月17日のZepp HanedaにはAKB48内のユニット・IxRが出演することが渡辺からメンバーに告げられた。「48グループと対バンしていただきますので、負けないように頑張ってください」「素敵な勉強もさせてもらって──ライブにできたらなと思いますので」と渡辺はエールを送る。

 WACKと48グループと言えば、AKB48の柏木由紀がWACK所属7グループに加入するプロジェクト「柏木由紀なりのWACK」があり、豆柴も「柏木由紀なりの豆柴の大群 -ずっと気になるズッキーニ-」で柏木とのコラボレーションを果たしている。『豆柴48』もまた、蜜月関係になりつつあるWACKと48グループにとってのさらなるコラボの一環なのだろう。Zepp Hanedaに向かうまではそんなことも思っていた。

 その公演の真意が徐々に見え始めたのは、IxRのパフォーマンスが始まって数曲の頃だ。IxRとは、小栗有以をセンター、西川怜をリーダーに、大盛真歩、久保怜音、山内瑞葵の5人からなるユニット。小栗は2018年リリースの52ndシングル『Teacher Teacher』で、山内は2020年リリースの57thシングル『失恋、ありがとう』でセンターを務めた、名実ともにエースと言えるメンバーの集まりである。

 セットリストは「フライングゲット」に始まり、「大声ダイヤモンド」で終わる10曲。途中には「言い訳Maybe」や「重力シンパシー」といった否が応でも盛り上がるライブチューンが並ぶ。2曲目「君のことが好きだから」、3曲目「希望的リフレイン」と続いた辺りで、彼女たちはAKB48劇場で鍛え上げられた百戦錬磨の集団なのだと、そのパフォーマンスを観て気付かされた。ダンスのキレというよりも、場数を踏んできた慣れ、自信が、その堂々とした表情からも伝わってくる。これがIxRとしては久々のステージというのだからさらにその凄みは増す。

 そして、極め付けは今のAKB48のイメージを更新している「根も葉もRumor」だ。サビのウィッチウェイ、間奏のタットダンスとAKB48史上屈指のダンスナンバーである「根も葉もRumor」すらも、ダンスメンバーである山内を中心に淡々とこなしていく。当然、本人たちにとっては淡々とではないのは分かっているが、そう見えることがまたすごい。さらに、他己紹介を交えての自己紹介MCも、「ここはAKB48劇場か?」という小慣れた回しっぷり。「場数」「MC」とライブにおいて豆柴が課題とされている要素を、IxRは持ち合わせていたのだ。2階の下手からIxRのパフォーマンスを観ていた豆柴メンバー。「フライングゲット」まではキャッキャと一緒に楽しんでいたが、曲数を重ねていくうちに徐々に真剣な表情へと変化していくのが分かった。

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