1st EP『RAFT』インタビュー

Suchmos TAIKING、みのに明かすソロプロジェクト始動の経緯 RADWIMPSや藤井風のサポートで受ける刺激も

RADWIMPSや藤井風のサポートから得る刺激

ーーファンの中には「TAIKINGがどういう手癖を持ってるのか知りたい」「コピーしたい」っていうギターキッズの子たちもたくさんいると思うしね。もちろんそこだけがTAIKINGの音楽性のすべてじゃないけど、そこの期待にちゃんと応えている。ソロがあって、バッキングもあるっていう構成もすごいよね。しかもバッキングは二本くらい有機的に絡んでいる。しっかり聴くとすごく面白いことをやっていると思う。

TAIKING:そこはちょっと考えてるかも。ここで左のバッキングが鳴って、ここから右になって、ユニゾンして、オクターブ下がって……って、ちょっとロボットっぽい感じにしたかったんだよね。ステレオじゃないと良さがわからない曲も好きで。LAのミュージシャンのソロアルバムとかが割とそういう作り方をしていて面白かったから、それを自分の手癖でどうにかしようって感じ。

ーー方法論だけ学んで落とし込むんだね。

TAIKING:自分の手癖だと絶対無理って思う瞬間もあるから、そうなったときは鍵盤に切り替えたりもする。たとえるならゲームみたいに、次の街に行くにはあそこのルートに行って、ここに行って……っていう感じかな。

ーーちょっとストレンジな要素があるよね。で、楽曲をリリースする傍ら、サポートミュージシャンとしても大活躍していて。直近では日本のロックシーンの第一線のバンド・RADWIMPSと、若手の最高峰・藤井風さんのサポートってすごいっすよ。

TAIKING:風くんもRADも本当にたまたま声をかけて頂けたって感じだったからね。11月は風くんのツアーの本番をやりながら、RADのリハーサルをするっていう1カ月だったな。

ーー音楽的な脳みその全然違うところを使いそうだね。今まで培ってきた自分のプレイスタイルから一歩出て、普段と違うプレイをしている感覚みたいなのはある?

TAIKING:めちゃくちゃある。タッピングするから、練習しすぎて右手の中指が切れたもん。でも普段はやらないアプローチばっかりだから、良い練習になったね。

ーーメジャースケール的なリフがずっと鳴ってるようなアレンジは、TAIKINGが今まで通っていない気がするけど、そういうのを持ち帰ってきて自分の音楽が発展しそうな雰囲気はある?

TAIKING:音楽の面でももちろんあるけど、人間的な面でも学びがあったね。たとえば風くんがどういう人なのかとか、どういうことを歌っているのかを一番近くで見られるから、こういうことを歌にしてるんだ、こういうことをやっていきたいんだっていうのがわかる。RADとやっているときは、バンドを続ける難しさについても考えたね。ずっと続けていくバンドは、何が彼らをそうさせてるんだろうって。そういう部分で音楽への向き合い方についても勉強になったし、これから自分がどういう風に活動していくのがいいのかとかも考えた。

ーーサポートにTAIKINGを入れてでもバンドをやり続けるRADの考え方は、きっとSuchmosとは少し違うよね。

TAIKING:プレイについても、桑原(彰)さんのプレイをなるべく忠実に再現しないと伝わらない曲もあるからコピーするんだけど、野田洋次郎さんや(武田)祐介さんは、「TAIKINGのカラーを出してほしい。それが今しかできないRADの形でもあるから楽しみだ」って言ってくれて。なんでそんなに肝が据わってるんだろう、すごいなって思った。

ーーそう言ってもらえるのはすごく光栄だと思うし、俺もその組み合わせの音を聴いてみたいけど、RADには熱心なファンも多いだろうしね。

TAIKING:俺も実はファンのみなさんの反応にすごくドキドキしてたんだけど、みんな優しいんだよね。もちろん「桑さんの音が良い」っていう人も中にはいると思うけど、「新鮮だった、良かった」って言ってくれる人たちが多くてびっくりした。風くんのライブも楽しかったしね。

ーーTAIKING自身のソロプロジェクトとしては、この先ライブの予定は?

TAIKING:1stライブを2月26日に渋谷CLUB QUATTROでやります。本当は今年の夏から秋にフェスに出させてもらう予定だったんだけどコロナで飛んで、『CONNECTION』っていう自分の主催イベントも延期にして。結局まだ1回もライブができていないから、最初のライブがワンマンになったんだよね。

ーー一発目がワンマンっていうのはどう?

TAIKING:もちろん、対バンやイベントで感覚を掴みたいっていう気持ちもあったけど、まぁできなかったのはしょうがないし。2月26日は楽しみだね。何をやろうかな。

ーー『RAFT』の曲はもちろんだけど、そこに加えて何をやるかっていうのも気になるところだよね。みんなワクワクしてるんじゃないかな。

TAIKING:実は曲のストックはまだまだアルバム2枚分くらいあるんだけど、今は小出し作戦(笑)。次の構想もちょっと考えているんだけど、それはまたどこかのタイミングで話そうかな。

ーーじゃあ『RAFT』以降のリリースも期待していいのかな?

TAIKING:期待しててください!

ーーでは、最後にファンの皆さんにメッセージを。

TAIKING:今回の『RAFT』という作品は力の抜けるEPになっているので、仕事や勉強、コロナ禍で気持ちが落ち込んでいたり、大変な人もいるかもしれないけど、この作品を聞いてホッと一息リラックスしてもらえたらなと思っています。個人的には「Present」という曲は初めて息子に向けて書いた曲だったりするので、『RAFT』はまさにクリスマスプレゼントのような作品です。

TAIKING『RAFT』

■リリース情報
TAIKING 1st EP『RAFT』
2021年12月15日(水)配信リリース
配信URL:https://fcls.lnk.to/RAFT
<収録曲>
1.SPOT LIGHT 
2.Humming Birds 
3.Easy
4.Present

■ライブ情報
『TAIKING 1st Live「 Feel So Easy 」』
日程:2022年2月26日(土)
会場:渋谷 CLUB QUATTRO
OPEN / START:17:00 / 18:00
チケット:¥4,800 (ドリンク代別)
オフィシャル一次先行(抽選)受付期間:
2021年12月15日(水)正午12:00~12月26日(日)23:59迄
受付URL:https://eplus.jp/taiking/ 

TAIKING SNS :
https://twitter.com/totsukataiki
https://www.instagram.com/taikitotsuka/?hl=ja 
TAIKING Official YouTube チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCNtaVBzhBbt3WQd4NPlgPAg

■TAIKING Profile 
2019年、デビューからわずか4年で地元・横浜スタジアムでの3万人動員のワンマンを実現し、2021年に活動休止を発表した6人組ロックバンドSuchmosのギタリスト。

ソロとしては藤井風やオカモトコウキ(OKAMOTO’S)に加え、先日新たにRADWIMPSのライブサポートアクトも発表されるなど、ギタリストとして多方面から注目を受けている。

ソロプロジェクトにおいては、Gt.のみならずVo,Ba,Dr,Key,などすべてをこなし、そのマルチな才能を発揮。

また、様々な分野で世界レベルで活躍する仲間たちと、地元横浜の活性化を掲げるチーム「CONNECTION」を結成し、様々な企画展開や清掃活動などの地域貢献活動も行う。2021 年8月1日にF.C.L.S.より「Easy」を配信リリースしソロプロジェクトをスタート。8月に2nd Sg「VOICE」、10月29日(金)にはYouTubeソーシャルドラマの原案・主題歌として3rd Sg「走馬灯」を、12月15日(水)1st EP『RAFT』をリリース。

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