清水翔太の審美眼光る『ONE in a Billion』 群雄割拠のオーディションブームの中で放つ独自の魅力とは?

 NiziU、JO1、BE:FIRSTなどオーディションで結成されたグループが数多く活躍、『~夢のオーディションバラエティー~Dreamer Z』(テレビ東京)も放送されている昨今。YouTubeでは、シンガーソングライター・清水翔太が審査委員長を務め、Z世代のエンターテインメントグループの結成を目指した、オーディション『ONE in a Billion』第2シーズンが毎週火曜日に配信中。その最終審査編が12月7日から配信された。全国から集まった5136名の応募から様々な審査を経て残った男女12名は、清水の前でどんなパフォーマンスを披露するのか。そして、新グループのメンバーに選ばれるメンバーは? 日本にもオーディションブームが到来する中、『ONE in a Billion』にしかない魅力や特徴、注目のファイナリストを解説する。

未来、可能性を見る。清水翔太流審査

【#1】清水翔太の本気の審査始まる!Z世代のエンタメグループ結成のためのオーディション「ONE in a Billion」

 『ONE in a Billion』(以下、ワンビリ)は、ソニーミュージックが2019年9月に立ち上げた新たなオーディションで、第2シーズンは昨年スタート。全5,136名の応募から、書類・映像審査、オンライン審査、清水による対面審査を通過した23名が、トレーニングを受けながらの審査に進み、約1年という実に長いオーディション期間になった。

 コロナ禍でのオーディションということもあり、緊急事態宣言が発出されている期間のトレーニングの序盤はほぼオンラインという形で行われ、参加者はそれぞれ自宅やスタジオからオンラインを繋ぎ、指導を行うトレーナーも試行錯誤しながらのものになった。そのオンライントレーニングも延期される事態もあり、参加者各自で課題を見つけながらの自己練習の中で、メンタルをやられたり自信を失ってしまうメンバーも。コロナ禍という状況で自分自身を見つめる時間が多くなり、メンバーの葛藤から生まれる幾多のドラマは『ワンビリ』の見所の1つと言ってもいいだろう。

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 また、男女混合で審査されていることは『ワンビリ』ならではだろう。キーや声質の違い、男女の体格差にこだわらないのは、多様性が求められる時代にマッチしている。そのため性別やルーツも様々な個性豊かな参加者が集まった。ダンスが得意だが歌が苦手な者、その逆の者、どちらも未経験だが光を放っている者。それぞれ「人生を賭けている」「夢のために」と意欲的に参加。中にはコロナ禍で学校の行事が全てなくなり思い出にしたいと語る参加者に、清水が「合格したら思い出どころじゃなくなるけど大丈夫?」と切り返す場面も。

 ダンススキルや歌唱力の高さで優劣を決めるのではなく、その人の未来や可能性を見据えた清水流の審査は、厳しさがありながら実に懐が深く、その言葉の一つひとつが見ている側の胸にも刺さる。番組中で清水は「今の段階でどこまで完成されているか、キレイにまとまっているかではない。それよりも未来、可能性を見ている。選曲を間違えていたり、声のレンジが合っていない子がたくさんいて、従来のオーディションではスルーされてしまうことが多い。僕は、その部分を気遣ってあげたいと思った。なるべく早く、その子が輝ける部分を見つけてあげて、それが出せるように誘導してあげたいと思った。ワンビリを通じて求めるもの。それは人間の成長」と語った。昨年11月に日本武道館で開催した自身のライブに、トレーニング審査に進んだ23名を招待したり、トレーニングの現場を突然訪問するなど気遣いも、参加者のモチベーションになった。デビューから13年、様々なことを経験して来た清水だからこその、参加者に寄り添った独特の審査は『ワンビリ』の大きな要素と言っていいだろう。

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