『Ribbon』インタビュー
M!LK、メジャーデビューで再確認したグループのアティテュード ファンとの絆=「Ribbon」に込めた“攻めの決意”
「感謝の気持ちを忘れずに、大きくなっていく」(佐野)
ーーでは今回の楽曲について聞かせてください。事前に、こんな曲がいいなとかメンバー間で何か話はしていたんですか?
佐野:僕はそれこそ、今回のような曲がいいなと思ってました。王道な、こういうキラキラ系は最近やってないなと思ってたから。これ、みんなで話さなかったっけ?
山中:話した、話した。
曽野:みんな、そうだよねって。
ーー「Ribbon」を聴いた時の第一印象はどうでした?
山中:春ツアーで北海道に行った時、車の中でみんなで聴いたんですよ。うわ、いい曲だねってなって、最後にタイトルが「Ribbon」ですって聞いて。こんなに全員一致で「うわー!」ってなったのは珍しかったかも。
曽野:うん。あと僕は「お、来たな」って感じでしたね。ある種の攻めというか、戦いのステージに上がった感じがあったというか。今までのM!LKって、フレンドリーでありつつキラキラ感もあるというか。夢を見過ぎないけど夢もあるみたいな、中間地点のいいポジションだなと思っていたんです。でも今回は王道に全振り。王道を歩くって、結構勇気のいることだと思うんですよ。こういうグループって限られてると思うんですが、そこに乗り込むんだなって感じがしましたね。
ーーこの曲のモチーフになっているリボン。皆さんはどう解釈をしました?
佐野:この「Ribbon」は、僕たちとファンの皆さんを結ぶリボンという意味合いも込めています。一見王道の恋愛ソングにも捉えられますが、ここまで話してきたように、7年間いろんなことがあったわけで。そういう時もファンの方が支えてくれたからこそ、メジャーデビューできたわけです。その感謝の気持ちを込めつつ、これからも感謝の気持ちを忘れずに、ずっとみんなのことを思っているし、忘れない。僕らは大きくなっていくよ。でもそのリボン、絶対に解かせないからねっていう意味が込められています。
ーー冒頭に〈もう一度強く結びたくて〉とありますが、メジャー1枚目だからまっさらなスタートではなく、これまでの歩みを踏まえた上でここからという意図も汲み取れますね。
山中:(リボンを結ぶような仕草をしながら)リボン結びして、もう1回ギュッて固くする時あるじゃないですか。そういうイメージだなって思う。
佐野:おぉっ! なるほど。
曽野:〈もう一度強く結びたくて〉って、M!LKはいろんな壁を乗り越えてきたし、辛い時や嬉しい時などいろんなことがあった中で、やっぱり最後まで繋がってたのは、僕たちの心のリボンだと思うんですよね。心のリボンって、実際には見えないですけど、(胸に手を当てて)ここから伸びているとしたら、一方だけじゃ結べないんですよ。僕たちのリボンと、ファンの人たちのリボンがあって、初めて蝶々結びができるというか、リボンが結べると思うんです。そういう僕たちの心のリボンなんじゃないかなって思います。
塩﨑:人と人との関係がリボンだと思う。縦の糸はあなた、横の糸はあなた的な?
佐野:横の糸は“私”。両方あなたって(笑)。
吉田:人任せだな(笑)。でもリボンって、小さい子でも年配の方でもわかりますよね。しかも贈り物をする時の仕上げに掛けるように、上品なものっていうイメージがあるんです。この上品さと、すごく滑らかな、透き通る感じや艶やかさも今後のM!LKの見せ方になっていくと思うと、こういう雰囲気もすごく素敵だなって思います。
「僕らのやりたいことが表現できる環境になった」(山中)
ーー作詞をされた園田健太郎さんは「かすかに、君だった。」なども書いていますから、なんとなく雰囲気は繋がりますよね。
吉田:そうなんですよ。僕たちのターニングポイントというか、ここぞっていう曲を提供してくださっている方です。
曽野:「ERA」とかね。
吉田:「M!LKで好きな曲は?」って聞かれた時にも、答えとして上がるのは園田さんの作った曲が多い気がします。すごいですよね。ヒットメーカーというか。
塩﨑:ライブも毎回観に来てくれますし。デビュー発表の時も来てくれてたよね?
山中:来てた、来てた。
塩﨑:いつも見守ってくれてる、お兄ちゃんみたいな存在でもある。
山中:『Juvenilizm-青春主義-』は、基本的にボーカルディレクションも園田さんがやってくれていますし。
吉田:立役者だね。
曽野:園田さんの言葉って、ドラマチックですよね。
山中:本当にいいよね。これまでどんな経験されてきたんだろうって思う。
佐野:〈モノクロじゃない 君がくれた/景色 世界 色が咲いて行く〉って、普通出ます? こんな表現。
吉田:園田さんが書くラブレターとか、マジで感動するだろうね。
ーー今回はカップリングで全員が作詞を経験したからこそ、わかるすごさもあるんでしょうね。
吉田:「夢路」という曲を5人で作詞しました。全部OKってなった時は、マジで「はあ~!」って、達成感がすごかった。
佐野:この3人(山中、塩﨑、吉田)が主となってやっていて、相当考えていたんですよ。僕ら(佐野と曽野)は結構後半から参加したんですが、それでも大変だったから。夜通しでその何倍もやってるから、そりゃ「はあ~!」ってなるわ。
ーー実際に作詞にチャレンジしてみて、仕事に対する手応えとか可能性とか、何か感じた部分はありました?
山中:太智くんがライブの演出をやったり、僕も衣装製作で入らせてもらったりして、自分たちでやること、つまり仕事に直接的に関わることが増えてきて。それってやっぱり嬉しいことですし、僕らのやりたいことが表現できる環境になったんだなっていう嬉しさもあります。やらせてもらえるくらい、僕らも成長したんだなって。伝えられることも増えたし。
吉田:確かに、今までチャレンジすらしてる場合じゃなかったというか。
山中:そうそう。
吉田:立て直しを図るフェーズとか、みんなに馴染んでもらうフェーズとかいろいろあった中で、やっとチャレンジしてもいいよって言われるぐらいの関係性や状況になれたのかなっていうのはあるな。これはちゃんと胸を張って、「僕たちが書いた曲です」って言える。
佐野:「みんなの気持ちです」って。