DEAN FUJIOKAが綴る、新たな時代へ歩みを進める物語 “変異=Transmute”を掲げた意味とは?
福島生まれ(前作『History In The Making』には「Fukushima」というナンバーも収録)。マルチリンガル。アメリカでITを専攻し、卒業後アジア各国を訪問。香港、台北、ジャカルタで活動し、2015年以降は東京拠点で活動を続けているDEAN FUJIOKA。コスモポリタニズム的な思想とグローバルな視点はこれまでも幾つかの楽曲に反映されてきたが、今作でもいくつかの興味深いリリックがある。
〈Something greater is waiting for you/Plan B, you'd better have it 〉(「Plan B」)
〈誰かとは違うこと 許せれば良い/駆け抜ける〉(「Runaway」)
〈つまずいても許せる社会/支える次世代 覚えていたい/Made in JPN 自然体で/東の更に東の果て〉(「Made In JPN」)
「違う選択肢があってもいい」という「Plan B」という発想は、“変異”(=Transmute)との呼応が感じ取れる。また「誰かと違うこと」への許容を歌う「Runaway」や、〈まさかの展開〉を夢に見つつもやるせなく繰り返される日常を描く「Made In JPN」のリリックのベースには、彼が見据える日本の閉塞感が敷かれているのではなかろうか。
〈君〉との再会を想い語りかけるように歌われる「Hiragana」で始まる本作は、やはり語りかけるように〈ぬくもり〉を歌う「Shelly」で幕を閉じる。永遠、距離、輪廻のような再会、距離、そしてぬくもり。DEAN FUJIOKAがこの時代を生きる一人として綴った最新の思想集とも言える『Transmute(Trinity)』は、力強く、またこの上なくやさしい。彼の新章という意味でも、前述の通り“聴きやすい”という点でも、本作で初めて本格的にDEAN FUJIOKAのアルバムを聴くというリスナーにもリコメンドしたい一作だ。
なお、冒頭でも触れた通り、本作『Transmute(Trinity)』は12月8日にリリースされる『Transmute』の先行デジタルリリース作品だという。つまり短い時間のなかで本作自体もまた“変容”を見せるのだ。追って届けられるその全貌にも大いに期待したい。
※1:https://realsound.jp/2019/10/post-436619.html
■配信情報
DEAN FUJIOKA『Transmute(Trinity)』
2021年10月29日(金)配信リリース
ダウンロード/ストリーミングはこちら
※12月8日発売の3rdアルバム『Transmute』からの先行配信
<収録曲>
01. Hiragana
02. Spin The Planet
03. Neo Dimension
04. Plan B
05. Missing Piece
06. Follow Me
07. Runaway
08. Take Over
09. Searching For The Ghost
10. Go The Distance - JP Ver.
11. Made In JPN
12. Shelly
DEAN FUJIOKA Official Site:http://www.deanfujioka.net