木村拓哉、堂本剛の音楽と向き合う姿勢を称賛 “音楽アベンジャーズ”がいた『LOVE LOVE あいしてる』でのエピソードも

日本歌謡界のアベンジャーズに育てられた堂本剛の音楽

 KinKi Kidsのデビュー曲「硝子の少年」についても、堂本剛は予想外だったと吐露。10代のアイドルのデビュー曲といえば、もっと明るい感じかと思っていたと話すと、その音楽的な意識やアンテナがすでに備わっていた点を褒める木村。

 木村はSMAPとしてデビューしたころは、曲についてはそこまで考えられていなかったと振り返る。その声色が、弟を誇らしく思っているようにも聴こえてくる。さらに堂本が「硝子の少年」の歌い出しが難しく今も「緊張する」という言葉にも驚きを隠せずにいた。

 そんな堂本剛の音楽に対するスタンスを決定づけたのが、木村も1997年にゲスト出演した『LOVE LOVE あいしてる』(フジテレビ系)だ。当時、吉田拓郎について「誰ですか?」となるほど無知だったが、周りが何か言うからではなく、自分の目で見て「この人はすごい」と理解していったという。

 吉田拓郎に加えて坂崎幸之助(THE ALFEE)など、日本の歌謡界を牽引してきたスターたちが集まり、まるでスーパーヒーローが集結した映画『アベンジャーズ』のようだったと例える堂本剛に、木村も「迎えてくれるのがアベンジャーズだから、やべぇ!って」と、過去ゲスト出演したときの思いを振り返った。

 『LOVE LOVE あいしてる』の収録は1本で2曲を披露するのが通常で、1日3本撮りすることもあったことから6曲分もの譜面と向き合わなければならなかった。それは決して楽ではなかったが、「音楽の深みに招待してもらったというか。こういうところが面白いんだよ、こういうところが大変なんだけど、(それが)音楽を作る喜びなんだよって」と愛しい日々を思い返す。

 わからないことがあったときには、直接“音楽アベンジャーズ”に質問していたという堂本剛。だが、吉田拓郎に「考えなくていいよそんなのは! 考えることじゃないから!」とかわされてしまったこともしばしばあったそうで、その返答ぶりに木村も「ブルース・リーの領域だ」とうれしそうだ。その教えがあったからこそ、気分のままに音楽を奏でる堂本剛のファンクミュージックが生まれたのではないかとも思えてくる。

 思い返せば、SMAPは減りゆく音楽番組から新境地を求めてバラエティやドラマへと進出していった開拓者だ。対して、KinKi Kidsはその広がった世界でもう一度音楽の可能性に向き合った探求者だったように思う。

 道なき道を拓く人と、巡り合わせに感謝し強い意志で応える人。それぞれの使命を果たしてきた彼らが、ゆっくりとその時間を振り返る機会はそう多くはない。うれしいことに、2人のトークは、10月17日回、10月24日回とまだまだ続く。

 2017年に突発性難聴を患った堂本剛が自分自身との向き合い方について、さらには「人生の一曲」も発表するというのだ。兄と慕う木村にだからこそ話せることもあるだろう。また、弟のように思う堂本剛にだからこそ伝えられる言葉があるかもしれない。大人になった兄弟がサシで話すような、ちょっと照れくさくて温かい、そんな時間をじっくりと味わいたい。

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