櫻坂46 渡邉理佐、センター曲「無言の宇宙」で醸す絶妙な温度感 クールな表情の奥にある“心の温かさ”

 渡邉と言えば、2019年に発売した写真集のタイトルが『無口』(集英社)だったことも記憶に新しい。バラエティ番組などでも多くを語らず、落ち着いた状態で微笑んでいる姿をよく目にする。しかし、だからと言って人柄が冷たいわけではなく、彼女には常にどことなく“思いやり”の心が滲み出ているのである。たとえば、2ndシングル『BAN』に収録された特典映像「SAKURA BANASHI 〜いま、話したいこと〜」における二期生の森田ひかるとの対談において、「メンバーに相談できない」という森田に対して「もっと甘えてほしい」「もっと頼っていいんだよ」と伝えていたり、撮影終了後に思わず涙がこぼれてしまった森田に、優しく寄り添っている姿が印象的だった。

 また、渡邉が表紙を務めた『blt graph. vol.70』(東京ニュース通信社)でも以下のようなことを口にしている。

「二期の子達を見ていると、2〜3年前の自分達を思い出すんです。やっとグループ内でのポジションが確立できてきて、自分を出せるようになってきたんだな、懐かしいなぁ……って、なんだかかわいくも思えてきて」

 後輩たちの成長を過去の自分と重ね合わせ、近くで優しく見守っているようだ。さらに“守りたいもの”を聞かれた際には、「自分自身を大事にして、周りの人を大切にできたらいいなと思います」と返答。自分自身だけでなくメンバー含めた周りの人たちへの気持ちを明かしていた。

 こうした発言の一つひとつに彼女の人柄が表れているように思う。モデル活動も順調にこなしている渡邉は、“クールビューティー”といった言葉で表現されることも少なくない。だが彼女の見せる“無言”な表情は、そうした“心の温かさ”からくるものではないか。後輩や周りの人々を思いやる精神が表情の奥に見て取れる。「無言の宇宙」は、彼女のそうした一面が伝わってくる作品だ。

(※1)https://mdpr.jp/interview/detail/2786791

関連記事