リル・ナズ・Xが奮闘するもザ・キッド・ラロイが首位キープ グローバルチャートの動向を追う
参照:https://spotifycharts.com/regional/global/weekly/latest
Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。リアルサウンドでは、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする連載をスタートする。初回となる今回は9月23日公開(9月16日~9月22日)のチャート全体を俯瞰。オンタイムなヒットの動向を追っていく。(編集部)
リル・ナズ・Xが奮闘するもザ・キッド・ラロイが首位キープ
まず8月5日公開分から首位をキープし続けているザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーのコラボ曲「Stay」が1位となった今週のチャート。2位と3位は9月17日に待望のデビューアルバム『Montero』をリリースしたリル・ナズ・X。2位の「Industry Baby」は2020年に「WHATS POPPIN」で話題となったジャック・ハーロウをフィーチャリングしており、7月23日に先行配信されていた。こちらの楽曲はカニエ・ウェストと、リル・ナズ・Xの楽曲を多く手掛けているプロデューサーデュオ・Take A Day Tripの共同プロデュース作品となっている。
3位の「That’s What I Want」は初登場となったが、「Industry Baby」のエンドクレジットで流れたり、タコベルのCMで使用されたりと、存在は以前から明らかになっていた。8月に楽曲が流出したこともあったが、無事3位にチャートイン。
また、リル・ナズ・Xはアルバムリリースに伴い、「Montero Baby Registry」(※1)というチャリティサイトを公開しており、こちらにはアルバムに収録されている各曲と結びついたチャリティー団体がまとめられている。TMZの報道によると「Bros in Convo」というゲイ、バイセクシュアル、クィアの男性をサポートしているチャリティ団体の代表は「Montero」のチャリティによって3万3140ドルを集めたと話している(※2)。
4位はGlass Animalsの「Heat Waves」。こちらは2020年にリリースされたアルバム『Dreamland』に収録されている楽曲であり、オーストラリアを始めとし、徐々にヒットに繋がった作品だ。同曲はGlass Animals史上最大のヒット曲であり、メンバーのデイブ・ベイレイは「この楽曲のMVは、ライブミュージックや、ライブ文化というものへのラブレターだ。ロックダウンのピークに近所で撮影したんだ。大切なものを失い、切望し、最終的にそれを救えないことに気がつくという曲だ」と楽曲について語っていた(※3)。
エド・シーランの「Bad Habits」と、ファルッコの「Pepas」は1ポイントずつ落ち、その後の順位は引き続きドージャ・キャットが続いている。ここで先週に比べて順位を上げてきたのがリル・ナズ・Xの「Montero (Call Me By Your Name)」である。アルバムのリリース効果で、先週から6ポイントアップの8位となった。
7位から10位にダウンしたのはMåneskinの「Beggin’」。こちらは1967年にリリースされたThe Four Seasonsの「Beggin’」のカバーとなっており、2007年にノルウェーのヒップホップデュオ・Madconもカバーしている。元々2017年にリリースされていたMåneskinバージョンの「Beggin’」であるが、彼らが2021年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストで優勝したことがきっかけで話題になる。その直後にTikTokでバイラルになり、大ヒットに繋がった。Måneskinのバージョンがヒットしたことがきっかけで、Madconもリミックスバージョンをリリースしている。