岩田剛典、ソロデビュー曲がバイラルチャート絶好調 心地よい歌声や豊かな表情で魅せる新しい一面
今週1位を飾った「korekara」は、ジャズやAORを彷彿とさせるミディアムナンバーで、前述した岩田の柔らかな声質が、ここ数年のトレンドでもあるリラックスしたチルなビートに見事にマッチしたアーバンな1曲。ジャストで刻むでもなく、ディレイするでもなく、独特のリズム感で歌うスタイルが、楽曲に心地よい揺らぎをプラスしている。台詞調のワンセンテンスや掛け声を随所に挟み込むことで、一瞬垣間見せる低音は、これまでの岩田のイメージにはなかった新たな一面だろう。
そして、“ソロアーティスト 岩田剛典”の魅力がいかんなく発揮されているのが「korekara」のMVである。凝ったセットもなく、ライティングやバックの色が変わるだけのシチュエーションの中で、リップシンクする岩田をひたすら映すというかなりシンプルな構成である。かなり強気ともとれるMVだが、このアプローチは岩田の存在感があってこそ成り立つものだろう。広い空間の中、岩田は激しく踊ることはないが、ダウンビートに身体をゆだねて伸び伸びと手を広げ、表情豊かに歌っている。
三代目 J SOUL BROTHERSとしてデビュー10周年を経て、この夏ソロプロジェクトを始動させた岩田。「korekara」は彼の新たな一面を示すには十分であると同時に、これまで以上に多面的な活動を期待させる、ハイクオリティで間口の広い1曲である。