SUPER★DRAGON 古川毅、影響を受けた俳優を語りまくる 憧れる3人の“超役者”

スパドラ古川毅『カタリタガリ』第6回

■窪塚洋介

 窪塚さんのことを知ったのはドラマ『池袋ウエストゲートパーク』でした。大雑把に言うと池袋に根を張る不良たちの話。僕が生まれた年に放送された(2000年)ドラマなので、後追いなんですけど、窪塚さんの演じるカラーギャング、G-Boysを仕切る安藤崇、通称キングのキャラクターに衝撃を受けました。

 いつもヘラヘラしていてクレイジー。感覚だけで適当に生きているようで、実は仲間想いでリーダーシップもあって、その感情が振りきれたときのギャップがたまらないんですよね。最後に敵対する組織、Black Angelsと戦ったときの髪の毛をかきあげた瞬間に無双した感じとか、めちゃくちゃ痺れました。聞けばキングのキャラクターって、一度聞いたら忘れられない独特の言い回しとか、窪塚さんが作っていった部分が大きいらしいんです。一人の俳優が用意されたものを変えるって、そのほうが物語はおもしろくなるという自信がないとできないことだし、僕も少なからず現場経験がある立場からすると、すごいなんてものじゃない。

 そこから窪塚さんのことを追いかけるようになって、映画『GO』や『凶気の桜』、『ピンポン』といった代表作はじめいろいろと観ましたけど、やっぱりレベルが違う。どこをどう切っても窪塚洋介なんですけど窪塚洋介じゃないというか、あまりにも強い個の力がちゃんと役のためにあって、そのポテンシャルを最大限に引き出している。窪塚さんがいることで作品がさらにグルーヴするんです。

 例えば『GO』の、在日コリアンというだけで差別を受けた窪塚さんの演じる杉原が、柴咲コウさん演じる日本人の彼女、桜井に向かって「ライオンは自分のことライオンだなんて思ってねえからな」と言うシーン。その言葉はずっと僕自身の考え方の芯にあります。そうなった理由について考えると、物語の素晴らしさに加えて杉原が窪塚さんだったから。同じ言葉でも窪塚さんが発すると、一気に点が線で繋がってドキドキするんです。それって、物語やテーマとの向き合いかたが半端じゃないってことだし、普段からアンテナが高くていろんなことを勉強されている賜物だと思います。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「連載」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる