NMB48、次なる中核を担う期生は? 見応えある音楽劇を展開した次世代コンサートレポ

 8月14日、大阪城ホールで開かれた『NMB48 次世代コンサート~戦わな次世代ちゃうやろっ!~』。同公演の開催のきっかけとなったのは2020年10月、10周年記念コンサートのひとつとして行われた『次世代コンサート』だ。そこに出演した5期以降の若手メンバーが「もっとできたんじゃないか」と不完全燃焼を感じ、その日にリベンジコンサートを宣言。この日のステージへと結びつけた。そんな経緯を持つ『戦わな次世代ちゃうやろっ!』公演だが、ライブとしてはもちろんのこと、音楽劇としても見応えのある内容となった。

 オープニング映像では、山本彩らレジェンドメンバーの姿をまじえながら「先輩たちが街へずらかってから平穏な日々となっていたが、火種が勃発した」と説明。そして「難波で一番、熱い学校はどこか?」と問いかけられ、今回の公演が「難波の頂点を目指す4つの高校による覇権争いの物語」であることを明かした。

小嶋花梨、塩月希依音、出口結菜、平山真衣が率いる4校激突

 5期生、ドラフト3期生、6期生、7期生の各メンバーは、小嶋花梨率いる五摩弾護(ごまだんご)女学園、塩月希依音が統率する銅鑼弥騎(どらやき)第三高校、出口結菜がリーダーをつとめる六琉慶斬(ろーるけーき)工業高校、平山真衣が牽引する七魔超弧(なまちょこ)総合高校という、各期の数字にちなんだ名前の学校に分散。次世代のトップをかけてステージ上で火花を散らした。

 拳を高らかに突き上げる1曲目「パンキッシュ」、〈負けへんで!〉と歌う2曲目「てっぺんとったんで!」で闘争心を加速させ、3曲目「マジスカロックンロール」では、塩月希依音が「マジにならなきゃ勝てねえよ」と気合い十分の声を響かせる。

 3曲の歌唱が終わり、まず第1幕、5期生・五摩弾護女学園と7期生・七魔超弧総合高校が大激突。7期・早川夢菜が言葉を噛みながら啖呵を切れば、5期生が一斉に「何を噛んでんだよ」とアドリブでツッコミをいれるなど、五摩弾護の経験豊富さが七魔超弧を圧倒。ステージパフォーマンスへと移り変わり、七魔超弧は「オーマイガー!」で実力をアピールするが、五摩弾護は「モニカ、夜明けだ」で先輩としての貫禄たっぷりの歌とダンスを披露。

 「どしゃぶりの青春の中で」の2校によるパフォーマンスでは、小嶋花梨が、自分の前で膝をつく平山真衣、眞鍋杏樹を顎クイで顔を持ち上げ、ふたりをメロメロにさせる場面も。平山真衣は「今のうちらには先輩の力が必要」と仲間入りを志願。小嶋花梨も「1年のわりに実力がある」と共闘を歓迎した。

「難波の乱」の勝者は果たして?

 続いて第2幕のドラ3・銅鑼弥騎と6期生・六琉慶斬のバトルは、奇妙な展開をみせた。ドラ3・中野美来が「あちょちょちょ」とカンフーを模した動きで攻撃を仕掛ければ、6期・原かれんが手を前に差し出して指をひらつかせる仕草「ぴろぴろ」で対抗し、激戦(?)の末にダブルノックアウト。

 その後、六琉慶斬工業高校が「場当たりGO!」、銅鑼弥騎第三高校が「理不尽ボール」で一歩も譲らないパフォーマンスをみせるが、「四字熟語ガールズ」をともに歌い終えたところで、銅鑼弥騎の山本望叶が「うちら相性いいと思わん?」、六琉慶斬の菖蒲まりんも「3年くらい一緒にいる気がする」とシンパシーを感じるとの声があがり、手を組むことが決まった。

 こうして勢力図は五摩弾護・七魔超弧連合、銅鑼弥騎・六琉慶斬連合の2大派閥なり、覇権争いはいよいよ大詰め。第3幕では、ドラ3から5期に果たし状が届き「難波の乱」が巻き起こることに。「拳の正義」「欲望者」のパフォーマンス対決では白黒がつかず混沌とするなか、7期・折坂心春が突然登場。「はにゃ? なんで喧嘩してるの?」と首を傾げ、さらに折坂の「パパ!」という呼び声でNMB48劇場の金子剛支配人が姿をあらわす。

 金子支配人は、メンバー曰く「かつて難波を震えあがらせてた伝説の人物」とのことで、この抗争をいさめるためにやって来た。金子支配人は「七魔超弧はダブりまくって年上になっているメンバーもいるけどフレッシュ。六琉慶斬はぴろぴろ団という暴走族が入っているけど個性があって前に進んでいる。銅鑼弥騎はダンボールみたいになって停学になったやつ(南羽諒)もいるみたいやけど、熱い気持ちで前に進んでいる。五摩弾護はアゴが鋭利で凶器な番長(小嶋花梨)もいるけど、今後の難波を背負う中心的存在になる。みんな良いところがあるから仲良くしなさい」と毒舌を交えながら、各期生の良いところを挙げて争いを沈静化した。

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