三代目 J SOUL BROTHERSの10周年を振り返る 第5回:ソロ活動の拡大や『HiGH&LOW』で示した“エンターテイナーの生き方”

三代目JSBの10周年を振り返る 第5回

 アーティストでありながら、俳優・番組MC・モデル・ファッションデザイナー・プロゲーマー・プロデュース業など、マルチに活躍する7人組ダンス&ボーカルグループ、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE(以下、三代目 J SOUL BROTHERS)。2014年に発売したシングル『R.Y.U.S.E.I.』が大ヒットしたのを機に、今や国民的グループとして不動の地位を確立している彼らが、昨年11月10日にデビュー10周年を迎えた。そんな三代目 J SOUL BROTHERSのヒストリーを辿りながら、改めてその魅力を紐解くのが本連載だ。第5回は、2016年の活動を振り返る。

 EXILEも兼任するリーダーのEXILE NAOTOと小林直己を中心に、『EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者達へ~』から選出されたボーカルの今市隆二と登坂広臣、パフォーマーのELLY、山下健二郎、岩田剛典で結成された7人組ダンス&ボーカルグループ・三代目 J SOUL BROTHERS。2010年9月18日に現メンバーが揃い、11月10日にシングル『Best Friend’s Girl』でメジャーデビューを果たした彼らは、7人の心を1つにして“三代目 J SOUL BROTHERS”を創り上げ、2014年6月の13thシングル『R.Y.U.S.E.I.』をきっかけに大ブレイク。老若男女、幅広い世代に愛される国民的アーティストへと進化を遂げた。その勢いは止まることを知らず、2015年にはアルバム『PLANET SEVEN』がミリオンヒット。初のドームツアー『三代目J Soul Brothers LIVE TOUR2015「BLUE PLANET」』では約120万人を動員し、彼らの人気が一過性のものではないことを証明した。

 翌年2016年には、記念すべきドーム公演をはじめとする活躍の裏側に密着した、初のドキュメンタリー映画『Born in the EXILE ~三代目 J Soul Brothersの奇跡~』が2月12日に公開された。同作の舞台挨拶では、「映画を観て知ったメンバーの意外な一面は?」と聞かれたNAOTOが「見せてない一面がないくらいみんな仲よくしているので、『ああ思った通りの一面だった』って感じでしたね。でもボーカルが歌詞を書く瞬間は、普段なかなか見られないので。すんごいおしゃれなところで書いてて!」とボーカル陣をいじり、今市が「書くときは1人じゃないと書けないですね」と発言する場面も。ELLYは「映画の中でカメラさんが入って来たときに『ちょっと1人にしてもらっていいですか?』って言うシーンがあって。それがすごいカッコいいんですよ! 俺も振り付け考えるときに真似します」と話に乗っかりつつ、実は他人に見られながらのほうが捗るタイプであることを明かした。自分の世界に入り込んで歌詞を書き上げる今市と、映画の中で自宅まで公開しているオープンな性格のELLY。この2人だけを見ても、三代目 J SOUL BROTHERSがいかに個性豊かなメンバーで構成されているかがよくわかる(※1)。だからこそ、ボーカルの登坂と今市が共作した主題歌「Born in the EXILE」が沁みるのだろう。バラバラな性格、個性を持った7人が出会い、“EXILE魂”を心に宿し、いま同じ方向を向いて生きている。それは奇跡以外の何物でもないのだと、この歌が教えてくれる。

三代目 J Soul Brothers / ドキュメンタリー映画「Born in the EXILE」 (2016.2.12〜全国ロードショー)特報 long ver.

 小林が「基本はやりたいことをやろうってスタンスです。7人がそれぞれ自分のやりたいことをやりきった方が、三代目っぽいし、結果的にまとまるってことが分かったんです」(※2)と語るように、前年に続きメンバー一人ひとりの可能性を模索した2016年。3月30日にリリースした6thアルバム『THE JSB LEGACY』にも、その片鱗が感じ取れる。「Born in the EXILE」も収録された同作において、登坂は「Beautiful Life」の作詞を担当し、自身が出演した「ポッキー」のCMソング「Share The Love」ではソロ歌唱も披露。今市のソロ曲「Over & Over」も収録された。また、「R.Y.U.S.E.I.」のリリースを機に、「もっともっと個々が秘めているものがあるんじゃないかなって思ったし、それをグループに還元していきたいと感じました」(※3)というELLYは、同作のリード曲「Feel So Alive」にCRAZYBOYとしてラップで参加。以前からELLY名義で、EXILE SHOKICHIやDOBERMAN INFINITYなどとコラボレーションしていたが、三代目 J SOUL BROTHERSの楽曲でCRAZYBOYが歌唱するのは、これが初めて。その後もCRAZYBOYは、6月15日にリリースしたコンピレーションアルバム『HiGH&LOW ORIGINAL BEST ALBUM』や、『HiGH&LOW』で共演していたラッパー・ANARCHYが7月6日にリリースした「HELLA RICH feat. CRAZYBOY」(アルバム『BLKFLG』収録)などでも歌唱しており、「Feel So Alive」を皮切りにヒップホップアーティストとしての活動を加速させている(現在はCrazyBoy名義で活動中)。

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE / Feel So Alive

 2015年にスタートした、LDHが手がける総合エンタテインメントプロジェクト『HiGH&LOW』は、三代目 J SOUL BROTHERSが演技派グループであることを印象づける機会にもなった。2015年に放送されたドラマ版のSeason1に続き、2016年4月~6月にかけてSeason2が放送されると、7月16日には初の映画『HiGH&LOW THE MOVIE』も公開。同作にはコブラ役で岩田、ダン役で山下、雨宮広斗役で登坂、ICE役でELLYが出演し、壮大な物語を各所から盛り上げた。5月7日にはコブラ役の岩田、ヤマト役の鈴木伸之、ノボル役の町田啓太が出演する映画『ROAD TO HiGH&LOW』(ドラマ版の総集編)を限定公開。10月8日には、雨宮兄弟を主役としたスピンオフ映画『HiGH&LOW THE RED RAIN』も公開されており、こちらでは登坂が、雨宮雅貴役のEXILE TAKAHIROらと共に主役を務めている(『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』以降は小林、NAOTOも出演している)。

『HiGH&LOW THE MOVIE』Best Action Scenes Special Trailer

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