BTS JIN、SUGA、RM、J-HOPEの“ヒョンライン” 『P. to. D PROJECT』でも見せる頼もしくも温かな背中

BTS『Butter』

 BTSが7月25日、公式YouTubeチャンネルにて動画『P. to. D PROJECT』を公開した。「ARMY(ファン)を楽しく踊らせよう」という目的のもと集まったメンバーたちの愛らしいやりとり、そして動画内だけのユニークなパフォーマンスが話題を集めている。

 「Permission to Dance」は、もともと心の動くままに自由に踊れる楽曲。“振り付けチーム長“の異名を持つJ-HOPEは、動画内で「いつでもどこでも明るく笑いながら楽しく踊ろう、そういう意味が込められています」 と、この楽曲が持つ“一緒に楽しむ”魅力を強調する。

 またJINが、振り付けにまつわるエピソードを披露。「この曲とダンスの試案を受け取ったとき、すべての人が楽しくできたらと思ったんですけど……すごく難しいので変えてほしいと言ってできた、簡単な振り付けです」と明かしたのだ。

 さらにSUGAも「聴きやすい曲じゃないですか。それに合わせて僕たちが振り付けをしてみましたが、たくさんの方ができる振り付けという気がして、道を歩いていても多くの人たちが踊っていたら面白いと思います」と続けた。

 RMは「いつか明洞通りのど真ん中で一緒に踊ることを夢見ながら」と、新型コロナウイルスのパンデミックが収束した後に、多くのARMYと共に踊る風景を思い描いている様子。それまでは「世界各地で一緒に踊ってくださればいいなと思います」とも。

 そんなヒョン(兄)ラインと呼ばれるJIN、SUGA、RM、J-HOPEの4人が思いを語る横で、マンネ(末っ子)ラインの3人が幻となった高難易度な振り付けを踊ってみたり、ふざけて肩にパンチしてみたり、ニコニコと背に手を回したりとリラックスしている姿もまた微笑ましい。その様子を見ながら、改めてヒョンラインの4人が醸し出す空気感が、BTSの平和な雰囲気を作り出していることを実感する。

BTS (방탄소년단) P. to. D PROJECT

 カリスマ性と親近感、活動と休息、成長意欲と自己承認……。物事をうまく進めていくためには、アクセルとブレーキの両方が必要だ。自分を追い詰めるように努力を続ける時期があるなら、そんな自分をいたわる時間を認めなければ、何かをやり続けていくことは難しい。

 もちろんBTSにもアクセル全開の日々があった。だが、そこで積み重ねてきた確かなものをベースとして、今は彼ら自身がそのスピードを調整しながら進んでいるように見える。そんな緩急のあるパフォーマンスにおける現段階での集大成が「Permission to Dance」なのかもしれない。

 特に興味深かったのが、動画内で「自分の魅力ポイントを見せられるモーションは?」という問いに、4人がそれぞれ答えた自己分析したシーンだ。J-HOPEは「一生懸命さとキューティラブリーな笑顔」、SUGAは「ボーッとしている姿」、RMは「何でも上手そうに見えるけど少し抜けてる人」、JINも「上手くはないけどかわいさで表現」と、いずれもオンとオフのどちらにも視点が向いているのがわかる。

 対して、マンネラインは「明るく笑いながら」(JUNG KOOK)、「幸せな表情で」(JIMIN)、「各自の感覚でフリーダンス」(V)と“自然体でいい“という結論になっているのが面白い。それはきっと、ヒョンラインが背中で見せてきた“努力を続けながらも自分らしく楽しむことを忘れない“というスタンスを吸収してきたからなのではないだろうか。

 動画では、ヒョンラインによる“上手に踊らない“という不思議なミッションと、マンネラインの“思いつくままに楽しむ“という自由な提案によって、終始笑いが止まらないオリジナルパフォーマンスが誕生した。それは結果として、決してダンスが得意な人でなくても、気兼ねなく踊っていいのだという、私たちへのハードルをぐっと下げてくれるものになったように思う。

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