THE SPELLBOUND、初ライブにも表れた“全能感” 『THE SECOND CHAPTER』レポート

THE SPELLBOUND、初ライブレポ

 ライブ後半で披露されたのは、THE NOVEMBERS「TOKYO」のカバー。90年代のBOOM BOOM SATELLITESがよく比較されたThe Chemical Brothersの「Setting Sun」あたりに通じるサイケなムードを纏ったこの曲が選ばれたことは、個人的に非常に納得のいくもので、曲後半での小林の鬼気迫るシャウトも圧巻だったが、さらなる歓喜の瞬間はこの後に、あの聴き馴染みのあるシーケンスフレーズとともにやってきた。BOOM BOOM SATELLITESの「BACK ON MY FEET」だ。中野がスタインバーガーを持ち、小林とステージ前方で2人並ぶ姿を見て、誰もが感慨深い思いを抱いたに違いない。小林のパフォーマンスは川島道行が乗り移ったようであり、それでいてどこまでも小林祐介らしいものであって、THE SPELLBOUNDという新しいバンドの歴史が始まったことを改めて感じさせた。

 中野がそのままスタインバーガーを持って、2020年代型のポップパンクを鳴らした「FLOWER」に続き、ラストもこの日初披露の新曲で締め括り、バンドの未来へ期待を抱かせつつ、記念すべきライブが終了。ここまでMCらしいMCはほぼなかったが、最後に挨拶をした小林が思わず感極まるシーンもあった。ライブ後には須藤理彩がTwitterで、「BACK ON MY FEET」のときに小林はイヤモニで川島の声を聴いていて、その時点ですでに泣きそうになっていた、というエピソードを明かしてもいる。

 最後に、この先のことにも少し触れておくと、THE SPELLBOUNDの次のライブは『フジロック』2日目の8月21日。今年の『フジ』はパンデミックの影響により、20年以上に及ぶ歴史の中で初めて、日本人アーティストのみで開催されるわけだが、苗場での初開催となった1999年の初出場以降、世界のアクトと対峙しながら、何度となく名演を繰り広げてきたBOOM BOOM SATELLITESのメンバーがそのラインナップに名前を連ねる意味は、とても大きいように思う。そして、12月18日には新木場STUDIO COASTでのワンマンライブも決定。中野にとってはBOOM BOOM SATELLITESのラストライブ以来、約4年ぶりにコーストのステージに立つことになる。

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■ライブ情報
12月18日(土)新木場STUDIO COAST公演
開場17:00/開演18:00
チケット 6,500円

チケット先行受付:THE SPELLBOUND オフィシャルLINE
URL:https://lin.ee/iG5FGEE
QRコード :https://drive.google.com/drive/mobile/folders/1oGsKLNMQGMIBTxtzQhz_uZFFmisXgR5_

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