田原俊彦、松本孝弘、影山ヒロノブ……今年還暦迎えた3人の“レジェンド” 現役で輝き続けるアーティストの共通点
今なお変わらない歌声 影山ヒロノブ
アニメ・特撮界におけるレジェンドアーティスト・影山ヒロノブは、2月18日に還暦を迎えた。1977年に「LAZY」のボーカルとしてデビューし、1985年に『電撃戦隊チェンジマン』の主題歌を担当したことを機に、シンガーソングライターとしてだけではなく、アニメ・特撮の歌い手としても活動。2000年、「21世紀へ古き良き“アニソン魂”を残したい」という水木一郎の呼びかけのもと結成された「JAM Project」にも初期から参加しており、“長老”の愛称で親しまれているリーダーだ。
影山について、まず驚くべきはそのビジュアル。前述した田原、松本が“変わらない”とするならば、影山はむしろ若返っているように見える。そして何より、影山の魅力であるパワフルボイスはまるで衰えを知らない。相変わらず、胸の奥へとストレートにズドンと響く。
当時ーーテレビにかじりついてアニメや特撮を見ていた世代にとっては、影山の「姿」よりも圧倒的に「歌声」の印象が強いだろう。その「歌声」が今なお変わらないというのは、何よりのファンサービスであり、アニメ・特撮に関わる者の鑑であると思う。
今は大人になった当時の子どもたちの夢を壊すことなく、ずっとヒーローであり続けてくれる影山。その存在、その歌声は、いつだって一番楽しかった「あのころ」へと連れて行ってくれるのだ。
今回は「還暦」という、日本的なひとつの節目を迎える3人のアーティストを紹介したが、彼らがいつまでも現役であるばかりか進化し続ける理由は、そうした区切りを意識していないからではないか、とも思う。
とはいえ、カッコよくなどなくてもいいから、ただ年齢を重ねていく姿を見ていたかったーー歩みを止めたアーティストたちの顔が思い出される。今回紹介した彼らにも、きっとそうした存在がいただろう。
60歳まで駆け抜け、まだまだ走り続ける彼らに「ありがとう」を、そしてやはり「おめでとう」を贈りたい。
これから先も、パワフルな活躍を期待している。
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter(@akino_ippo)