Thinking Dogs、多彩な楽曲とパフォーマンス詰め込んだ6周年記念ワンマン 1年半ぶりの有観客ライブに喜び

 Thinking Dogsが、6月29日、30日の2日間にわたり、東京・下北沢シャングリラにて『Thinking Dogs 6th ANNIVERSARY One-man LIVE DAY1・DAY2』を開催した。タイトル通り、デビュー6周年を記念した本公演は、彼らにとって約1年半ぶりの有観客ライブとなった。本記事では、2日目・DAY2の様子をレポートする。

TSUBASA

 この日はあいにくの空模様であったが、外の空気とは裏腹に会場内はハッピーな空気でいっぱいだった。集まった観客たちからは、久しぶりにThinking Dogsと会える嬉しさや期待が、マスク越しにもわかるほど滲み出ている。待ちわびたライブは、昨年9月にリリースしたロックなナンバー「Heavenly ideas」から勢いよく幕を開けた。大輝(Dr)のキレの良いドラムに、Jun(Gt)の歪んだギター、わちゅ~(Ba)のリズミカルなベースが重なり、初っ端から唯一無二のグルーヴをつくりあげていく。ライトが激しくステージを照らす中、待ちわびた彼らの生音に、観客たちは気持ちよさそうに身体を揺らす。「みんな元気だったー?」とTSUBASA(Vo)が輝く笑顔で問いかけると、大きな拍手が返ってくる。

 「今日はみんなが声出せない分、俺らが出すから! みんなは心で思い切り歌ってください!」と伝えると、「Are you ready?」へ。観客たちがタオルを回して元気よくジャンプし始めると、有観客ライブならではの一体感とノリが生まれる。CMソングにも起用されたこの曲は、爽やかでキャッチーなラブソングなのだが、〈そばに君がいるだけで 生きてるって感じがするよ〉という歌詞は、ファンとの再会をようやく果たした今の彼らの心情のようにも感じた。続く「疾走マイロード」は、まさに疾走感溢れる一曲。観客たちの代わりに、メンバーが「ウォーウォーウォー!」と全力で叫び、熱い盛り上がりを見せた。

 ノリの良い楽曲でスタートダッシュを切ったライブは、一旦MCを挟んだ後、彼らの多彩な楽曲で様々な表情を魅せるパートへと移り変わっていく。淡いピンク色にステージが染まると、まずはポップなナンバー「ハートビート」が始まり、キュートな振り付けで会場を一つにする。甘酸っぱい恋心を歌う「3 times」は、TSUBASAが感情たっぷりに切ない表情で歌い上げる。さらに、エッジのきいた歌詞が印象的な「break the mold」、アコースティックギターの柔らかな音色と甘い歌声で優しく包みこむような極上のバラード「光」と、バラエティ豊かな楽曲の数々で、観客たちを魅了した。

 大きな拍手に包まれる中、感動を噛みしめていると、不意にスポットライトがTSUBASAを照らし出す。本を片手に持ったTSUBASAは、「この世界は残酷だ。 生きる意味なんて、神様は教えてくれない」という一節から始まる詩を朗読し始めた。薄暗い会場の中、彼の声と静かで壮大なBGMが響く時間は、まるで現実世界と切り離された異空間にいるかのようだ。そして不意に真っ白な強いライトが会場を照らしだすと、「はじまりのピリオド」が始まった。全身で歌うような力強いTSUBASAの声とJunの鮮やかなギターソロ、わちゅ~の心地よいベース、大輝のエモーショナルなドラム。彼らの作り上げる世界観は、集まった観客たちの心を完全に引き込んでいた。

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