『毅の“カタリタガリ”』第5回

SUPER★DRAGON 古川毅、世界のポップシーンを語りまくる 新たなスタンダードを築くアーティスト4組

 「古川毅のカタリタガリ」ももう5回目。こうして毎月ペースでどんなことを話そうか考えたり、そのテーマや季節感を意識しながらワードローブから服を選んだり、みなさんからの反応をチェックしたりすることを繰り返すなかで、いろんな音楽やカルチャーに触れることがますます楽しくなってきています。今回もよろしくお願いします。

■第5回「古川毅がおすすめするこれからの海外アーティスト」

 もともといろんな音楽を聴くことは好きだったのですが、SUPER★DRAGONに入り自分自身がパフォーマンスをする側になってからは、現行の音楽シーンで何が起こっているのか、それらのルーツには何があるのか、より意識的に考えるようになりました。そこから約6年が経ったわけですが、振り返ってみると2010年代はほんとうに激動のディケイドでした。そして2020年代に入り、世界のポップミュージックはますます刺激的でおもしろくなってきていると感じています。

 ではいったい何がどう動いたのか。やはりもっとも大きいのは、アーティストの曲やパーソナリティを発信するツールがソーシャルメディア中心になってきたこと。YouTubeはただミュージックビデオを公開するだけの場ではなくなってきましたし、Instagramがフックになることも当たり前に。そして今は何よりTikTokの勢いがすごい。そして、それらを使う上で求められるのは即効性。なので、文化的な深みの損失を危惧する声もある。僕ももともとSNSなどが得意じゃないこともあって、その狭間でいろいろと考えていたこともありました。

 でも、もしそれが一過性のものであったとしても“バズる”ってすごいことだし、各ソーシャルメディア、サブスク、フィジカルなどそれぞれの特性を理解し絶妙なバランスを取りながら発信するアーティストもたくさんいる。SNSを利用して曲の一部を切り取ったパフォーマンス動画をアップしたり、自身の思想を掲げたりステートメントを打ち出したり、そういったことも当たり前になってきましたが、その人が何を伝えたくてそこに立っているのか、個のスキルや思想がより強く高い鮮度で感じられるようになったことって、すごく貴重だと思うんですよね。

 それによって、例えば何かを選択するうえで求められがちな“男らしさ、女らしさ”とか、人それぞれの個性の前に立ちはだかる前提に縛られた“生き辛さ”に疑問を唱える声が、問題はまだまだ山積みですけどかつてないほど大きくなった。SNSが得意でなくても、そういった状況を受けて自分なりにどのように向き合えばいいのか、見つめ直した人もたくさんいると思います。そういったインターネットの世界とは距離を置いて活動することもまたひとつの尊敬できるやり方。とにかく型にはまるのではなく、それぞれが自分に合った自分らしいやり方を突き詰める姿勢を認めていくべきだという風潮が強くなってきたことは、素晴らしいこと。真の実力主義だとも言えますし、すごくやりがいがある。そういったことを踏まえて、今回は僕が今もっとも興味のある次世代アーティストを紹介します。

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