27thシングル『ごめんねFingers crossed』インタビュー

乃木坂46 星野みなみ×新内眞衣×梅澤美波インタビュー 各期生が語る、次世代メンバーへの信頼と10年目迎えたグループの今

 乃木坂46が、6月9日に27thシングル『ごめんねFingers crossed』をリリース。同シングル表題曲は4期生の遠藤さくらがセンターを担当するほか、卒業を発表した松村沙友理のソロ曲も収録される。

 乃木坂46は、今年2月より『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』を配信ライブで開催。全体ライブを皮切りに、各期生のソロ公演が5月まで行われた。そこからグループとしてはデビュー10周年イヤーに突入。1・2期生からは次のステップへ歩みを進める卒業メンバーが続く中、未来を託された3・4期生がテレビや雑誌、ラジオなどで活動の幅を広げている。

 10年目にしてグループとして新しいフェーズへと移行し、新しい乃木坂46が形作られつつある今を、メンバー自身はどのように受け止めているのだろうか。1期生・星野みなみ、2期生・新内眞衣、3期生・梅澤美波にインタビューし、それぞれの期生からみた今の乃木坂46を語ってもらった。(編集部)

「10年目で期別ライブができる乃木坂46の強さ」(新内)

新内眞衣、星野みなみ、梅澤美波

ーー2月22日の前夜祭からスタートした『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』も、5月9日をもって無事終了しました。今年は新型コロナウイルスの影響もあり2月23日に全体ライブ、3月28日に2期生ライブ、29日が1期生ライブ、5月8日に4期生ライブ、9日に3期生ライブという、すべて無観客での開催というイレギュラーな形でしたが、すべて終えた現在の手応えはいかがですか?

新内眞衣(以下、新内):毎年、バースデーライブ(以下、バスラ)でしかやらない曲というのもあるので、それはそれでやりたかったとは思うんですけど、バスラって毎年準備が本当に大変なんですね。それを、今年は期ごとに分担してギュッとできたのは、私はすごくよかったんじゃないかなと思いますし、10年目にして期別でライブができる乃木坂46の強さというのも改めて感じることができました。

星野みなみ(以下、星野):特に1期生や2期生は、今年じゃなきゃできなかったと思うしね。これまでは全曲披露するというのがテーマだったし、それがないと普通のライブになっちゃうんじゃないかなと心配だったけど、逆に期別の団結力もさらに強まって、それぞれの期別ライブにじっくり力を注げた感覚もあったから。どの期も完全燃焼という感じが伝わりましたし、タイミング的にもベストだったんじゃないかなと思います。

梅澤美波(以下、梅澤):今年は気持ち的には2月の全体ライブでバスラをやっている感を一度味わったものの、そのあとに期別ライブに集中していたので、すべて終わった今は「あ、これ全部で9thバスラだったのか」と改めて感じているところですね。でも、今年はいろんな歴史の振り返り方があるんだなと改めて思いました。特に3期生ライブは過去の衣装をフィーチャーした内容だったので、いろんなクリエイティブ面での強さがあるんだなと実感できました。

ーー特に乃木坂46は、過去にも『乃木坂46 Artworks だいたいぜんぶ展』を開催するぐらいクリエイティブ面にこだわり続けて活動してきたグループですものね。10年近く活動してきた今だからこそ、そういった側面にスポットを当てたライブもできると。あと、個人的には2期生から始まり3期生で終わる期別ライブの順番も絶妙だなと思いましたよ。

新内:本当ですか? たまたま3月28日が2期生の合格発表日だったので、ラッキーだったなと思います。めちゃくちゃ楽しかったですし。(星野に向かって)よかったですか?

星野:え、めちゃくちゃよかったよ?

新内:うちら的には「2期から始めてよかったのかな?」と疑問だったんですよ。「1期生から始めたほうがいいんじゃない? 大丈夫、うちらで?」というのは、実は何回か話し合いましたから。去年はコロナの影響で中止になって絶望していましたけど、最終的には初めての2期生ライブがこういう形でやれて、しかも(堀)未央奈もこういう形で終われてよかったんじゃないかな。

ーー2期生が熱量の強い、ストロングスタイルのライブをやり切ったからこそ、それに続く1期生が……。

星野:ふざけられましたし(笑)。

ーー(笑)。いい意味で肩の力を抜いて臨むことができたのかなと。

星野:そうなんです。みんな、本当にやりたい放題でしたよね(笑)。大人数だと全員の意見を取り入れることは難しいし、今回は衣装も演出もみんなで考えられたから、満足度がすごく高かったです。

新内:わかる。8人くらいだと、衣装とか靴が踊りにくかったりすると「変えよう」ってすぐに言えて、その対応も早いんですよ。

ーーその一方で、1期生は登場したときの存在感の強さはすごかったですよね。

星野:あの登場シーンのテーマは『アベンジャーズ』をモチーフしました。(笑)

ーーなるほど、納得です(笑)。そんな存在感とクセの強い先輩たちのライブを観た3期生、4期生はより気合いが入ったでしょうし。

梅澤:そうですね、かなりプレッシャーでした(笑)。

(4期生には)「私たちにはわからない大変さがある」(星野)

ーー4期生は昨年12月以来の単独ライブでしたが、新4期生の存在感がさらに強まっていることが感じられましたし。特に今回は、1期生が過去に経験したライブ演出を追体験する企画もありました。

星野:新曲のMV撮影の合間に、4期生の子たちはみんなゲタップの練習をしていて。「ゲタップはめっちゃ大変だよ?」とか話していると、そのうちに「これ、どうしたらいいんですか?」と、振り付け指導が始まったんですよ。私たちも思い出せないぐらい昔にやったことを、4期生のみんながまたやってくれることがすごくうれしくて。改めて歴史を感じましたね。

新内:4期生がタブレットで、めっちゃ昔の映像を観ていたんですけど、画質が荒くて「これ誰?」みたいな。その映像を観ながら、私たちとダンスの先生たちが一緒に振り起こしをしたんですよ。

ーーそんなことがあったんですね。皆さんの目には、今の4期生の成長ぶりはどう映りますか?

新内:卒業していく先輩たちも多いので、1期生や2期生とは違うスピードで成長しているのが伝わってきて、すごいなと思います。うちら2期生なんて、1期生に一生追いつけないだろうなって思っていましたし、今でも追いついたとは思っていないんですけど、そう考えると4期生は本当にすごいよなって思うんです。

星野:特に4期は新4期もいて特殊だからね。仲間だけど1年ぐらい差があるってことでしょ? 1年の差って大きいし、そこでもまた大変さがあるだろうし。わかってあげたいけど、私たちにはわからない大変さがあるからね。

梅澤:私たちは4期生と一番通ずるものがあると思うので、寄り添ってあげたいなって気持ちもあるし。一方で、4期生は生駒(里奈)さんとか初期から先頭に立って引っ張ってきてくださった先輩と被ってなくて。

新内:ああ、そうか。

梅澤:なので、私たちがあの頃の空気感をちゃんと伝えていかなくちゃいけないという思いも強くて。急ピッチでいろんなことを求められるし、すごく大変だけど、でもそこで勘違いしちゃいけなくて、「先輩たちが作ってきてくれたものがあるから、3期、4期だけで活動できているんだよ」ということをちゃんと念頭に持っておかないといけないですよね。その思いをちゃんと私たちが一番伝えなくちゃいけないというのは、すごくあります。

ーーそして、9thバスラの締め括りが3期生ライブ。3期生の単独ライブは4年ぶりでしたね。

梅澤:はい。しかも、4年前の3期生ライブ初日と日付が一緒で。そこに運命を感じて、みんなの気合いの入り方が本当にすごかったんです。加入して最初の頃は3期生12人だけで活動することが多くて、そこから徐々に個々で活動することが増えていって、そのあとに4期生が入ってきて。4期生ライブを観て「またみんなで3期生ライブができたらいいね」と話していたので、念願が叶った3期生ライブだったし、誰ひとり欠けることなくできたのがすごくうれしくて、私たちの中でも特別な日になりました。

関連記事