27thシングル『ごめんねFingers crossed』インタビュー

2021.06.08 12:00

乃木坂46 星野みなみ×新内眞衣×梅澤美波インタビュー　各期生が語る、次世代メンバーへの信頼と10年目迎えたグループの今

文・取材＝西廣智一、写真＝堀内彩香

「今の私たちの気持ちをぶつけられる楽曲」（梅澤）

ーーカップリング曲「全部　夢のまま」も表題曲同様にダンサブルですが、ちょっと雰囲気が違いますよね。

星野：スタッフさんが「この曲はディスコだ」って言ってたよね。

新内：めっちゃ可愛いんですよね。私、この曲大好きなんです。

梅澤：私も大好きです。

星野：メンバーでも好きな子が多いよね。

新内：振り付けも可愛いし。

乃木坂46『全部　夢のまま』

ーーこの曲もMVを撮影したんですよね。この取材時点では公開前ですが、どんな内容ですか？

新内：衣装が可愛いんですよ。

梅澤：なんだか童話の世界に入ったような感じのMVなんです。

星野：撮り方も面白くて、1カ所だけみんなで「わーっ！」と走ったところが、スローで逆再生になっていて。

新内：センターの与田（祐希）だけ普通のスピードで動いているんだけど、うちらはその後ろでスローモーションで動いていて。

星野：ちょっと不思議な世界で。そういう仕掛けがいろんなところに用意されているので、楽しいと思いますよ。

新内：本当に夢の中の世界という感じのMVです。あと、観てもらうとわかるんですけど、パーっと弾ける場面があって。そこがアンダー曲の「生まれたままで」（※2014年4月発売の8thシングル『気づいたら片想い』収録曲）と重なるんですよ。

梅澤：確かに！

星野：確かにそんな感じだね。撮影していたときは全然思わなかったけど、今言われて確かにって思った……あ、だって「生まれたままで」と「全部　夢のまま」で“まま”が一緒だもん！

新内：本当だ（笑）。ぬいぐるみとかいっぱい降ってくる中で私たちが走るシーン、わかりますか？　あんな感じなんです。

ーーなるほど。公開されたら「このシーンだな」と意識してみますね。

新内：「生まれたままで」がわかるのすごいね、うめ（梅澤）。

梅澤：わかりますよー。もちろん全部観てますし（笑）。

ーーさらに、久しぶりとなる3期生楽曲「大人たちには指示されない」も収録。この曲はバスラ3期生ライブで初披露されましたが、かなり激しいダンスでしたね。

梅澤：そうなんです。イントロも間奏もめちゃくちゃカッコいいし、今まで3期生がいただいていた楽曲とはちょっと違うテイストで、歌詞も放課後とか成績表とか出てきて、学生のイメージが強いんですよね。それって「私たち3期生にはまだそういうイメージがあるのかな？」って、この歌詞が届いたときに改めて思ったりもして。でも、5年目のこのタイミングに、今の私たちの気持ちをぶつけられる楽曲をいただけたのはすごくうれしくて、みんなで気合いを入れて振り入れもしていたので、これまでの経験がここで全部出せたらいいなと思いますね。

（松村沙友理には）「ここから先、本当に幸せになってほしい」（新内）

ーー前作『僕は僕を好きになる』もそうでしたが、今回のシングル収録曲はどれもタイプが異なり、かなり聴き応えがありますよね。松村沙友理さんのソロ曲「さ〜ゆ〜Ready?」も個性的で、非常に彼女らしい楽曲に仕上がっていますし。

新内：マツ（松村）が「あんまり“さよなら”っぽくしたくなかったけど、意外と“さよなら”っぽくなっちゃった！」と言っていて（笑）。

星野：でも、歌詞は全然マツっぽい卒業ソングだよね。

新内：めっちゃ明るい曲です。

ーーまもなく結成10周年を迎える節目のタイミングに卒業する松村さんですが、星野さんは同期、新内さんも仲良しでそれぞれ思うことはあるかと思います。改めて彼女の卒業に向けて、今の率直な気持ちを聞かせてもらえますか？

星野：やっぱり「ここまでいてくれてありがとう。お疲れ！」という気持ちが一番強いかな。なので、楽しく送り出してあげたいですし、今回の表題曲ではポジションが隣なので、いっぱい喋って思い出を作ろうと思います。

新内：本当にめちゃくちゃここまで頑張ってきたなって……後輩の私が言うのも変ですけど（笑）。

星野：確かに（笑）。

新内：大変なところはたくさん見てきているし、常にずっと前に立ってきた人だからいろいろプレッシャーを感じることもたくさんあっただろうけど、10年という長い時間を乃木坂46に捧げてくれたというのはグループにとっては大きな財産なので、ここから先、本当に幸せになってほしいと思いますね。

ーーそんな先輩・松村さんの背中を見てきた梅澤さんはいかがですか？

梅澤：正直、寂しいですよね。松村さんってライブでもすごく目を引くし、プロデュース力もあるし、バラエティもできるしバランスの良さを持っている人で。特に私、松村さんのインタビューを読むのがすごく好きなんです。言葉がすごく綺麗で強くて……いろいろ一緒にお仕事していく中で、こういう人になれたらなと思う瞬間も多くて。明るいイメージがある方だけど、芯はしっかりしている。私はファンだった頃、握手会にも行ったことがあったので、いい意味でグループ加入後に一番ギャップがあった先輩が松村さんだったんです。そういう意味でも、松村さんからはいろいろ学ぶことが多かったですね。

ーー8月には結成10周年を迎える乃木坂46ですが、節目のタイミングを経たトップアイドルグループがこの先、どこを目指していくのかも気になります。

新内：難しい質問ですね（苦笑）。

ーー結成からたくさんの変化を目の当たりにしてきた、1期生の星野さんはいかがですか？

星野：自分というよりは、後輩に頑張ってもらいたいなという思いが大きくて。もちろん自分も頑張ろうとは思うけど、自分が卒業したあともテレビで観られるようになっていてほしいので、応援したいなという気持ちが最近は強いです。こないだの3期生ライブも4期生ライブも観て思ったんですけど、みんな成長するスピードがすごいから、全然大丈夫だなと思います。たぶんマツも安心して卒業できると思うし、ほかの1期生もみんなそう思ってるんじゃないかな。

新内：やっぱりこの雰囲気がずっと続いているのって、後輩たちがいいところを受け継いでくれているからだなと思うんです。それこそ、2期生は1期生にしてもらったことを3期生にしてあげたいし、3期生が1、2期生にしてもらったことを4期生にしてくれているはずだから、そういう連鎖がずっと続いていけば、変わらずいいグループでいられるんじゃないかなと思いますね。

ーー不思議ですよね。この10年間、乃木坂46を見続けてきましたが、外から見て雰囲気や空気感がそう大きく変化していないように感じるんです。

新内：入ってくる子によって少しは変わっているとは思うんですけど、それはきっと乃木坂46のことを好きな子が入ってきてくれていることも大きい気がします。だから、5年後も10年後も変わらぬ雰囲気の乃木坂46を維持してほしいですし、そんな乃木坂46のライブを観に行きたいんですよね。

星野：うん、観たい！（笑）　楽しみ。

梅澤：（笑）。後輩としてはまず、先輩方がいろんな活動を通じて持ってきてくださった今あるレギュラー番組を継続させていきたいですね。それこそ、『乃木坂工事中』（テレビ東京系）がこんなにも長く続いているのは当たり前じゃないし、ラジオのレギュラー番組も先輩からバトンタッチして後輩が受け継ぐことが増えているけど、そこをひとつもこぼさずに継続することを第一に。あとはそれこそ、今回のシングルみたいにいろんな新しいことに挑戦していって、しっかりした軸はあるんだから、違うなと思ったらそこに戻っていけばいいし。私たち後輩からしたら先輩たちという絶対的存在がいて、その目標はずっと変わらないので、特に迷うことなくその目標に向かってみんなで足並み揃えてやっていけばいいのかなという気がします。なので、5年後10年後という大きな未来を考えるより、今は目の前のことを1つひとつ大切にしながら活動していきたいなと思います。

星野：今の話を聞いて安心しました（笑）。全然大丈夫だよ！